パトリックテスト(Patrick test / FABER test)まとめ

■ 概要

パトリックテスト(FABERテスト)は、股関節屈曲(Flexion)・外転(Abduction)・外旋(External Rotation)させることで、股関節および仙腸関節の障害を評価する理学検査である。 痛みの出現部位により、障害部位の鑑別が可能な非常に重要な検査である。


■ 目的


■ 方法

  1. 患者を仰臥位とする
  2. 患側の足を反対側の膝上に置く(あぐら様姿勢
  3. 検者は患側膝を下方へ軽く圧迫する
  4. 同時に反対側の骨盤を固定する

■ 陽性所見

以下の部位に疼痛が出現する場合を陽性とする:


■ 解釈(病態)※最重要ポイント

● 鼠径部に痛み

  • 股関節障害を示唆
  • 変形性股関節症
  • 関節唇損傷
  • 関節炎

● 殿部(仙腸部)に痛み

痛みの部位で診断が分かれる点が最大の特徴である。


■ 鑑別のポイント

  • FNS陽性 → 神経根(L2〜L4)由来
  • SLR陽性 → 坐骨神経(L4〜S1)由来
  • 股関節可動域制限 → 関節障害の可能性

■ 東洋医学的関連

パトリックテストで誘発される症状は、東洋医学では痺証(ひしょう)として捉えられる。

関連する経絡:


■ 鍼灸臨床との関連

● 病態把握

  • 股関節型:局所の気血停滞・関節炎症
  • 仙腸関節型:骨盤アライメント異常+瘀血

● 治療方針

  • 関節可動域の改善
  • 局所の血流改善
  • 骨盤バランスの調整
  • 経絡の通利

● 代表的な経穴

- 股関節型(鼠径部痛)

- 仙腸関節型(殿部痛)

● 臨床的ポイント

  • 痛みの部位に応じて治療部位を変える
  • 仙腸関節型では骨盤調整が重要
  • 慢性例では補益(肝腎)も考慮する

■ 注意点(安全管理)

  • 強い圧迫は避ける
  • 股関節疾患が疑われる場合は慎重に実施
  • 左右差を必ず比較する

■ まとめ

パトリックテスト(FABER)は、股関節仙腸関節を鑑別する非常に重要な理学検査である。 痛みの出現部位によって病態を判断できる点が特徴であり、 東洋医学的には痺証瘀血肝腎不足として捉え、鍼灸治療に応用できる。

腰部脊柱管狭窄症まとめ

■ 概要

腰部脊柱管狭窄症は、加齢などにより脊柱管が狭窄し、神経根や馬尾神経が圧迫されることで、 下肢のしびれや痛み、歩行障害(間欠性跛行)を呈する慢性進行性の疾患である。

  • 下肢のしびれ・痛み
  • 間欠性跛行(歩くと悪化・休むと軽快)
  • 腰痛は軽度なことも多い
  • 前屈で症状軽快

■ 解剖

● 脊柱管の構造

  • 椎体
  • 椎弓
  • 黄色靱帯

● 通過構造

  • 神経根
  • 馬尾神経

※ 脊柱管が狭くなることで神経が圧迫される


■ 病態

● 原因

  • 椎間板の変性・膨隆
  • 骨棘形成
  • 黄色靱帯肥厚
  • 椎間関節の肥大

● 特徴

  • 慢性進行性
  • 高齢者に多い

※ 多因子による「狭窄」が本質


■ 分類

● 神経根型

  • 片側の下肢症状
  • 放散痛が主体

● 馬尾型

  • 両側性症状
  • しびれ・感覚障害
  • 排尿障害(重症例)

● 混合型

  • 両者の特徴を併せ持つ

■ 症状の特徴

  • 間欠性跛行(最重要)
  • 歩行で悪化・休息で軽快
  • 前屈・座位で軽快
  • 下肢のしびれ・脱力

※ 「前かがみで楽になる」が特徴


■ 理学検査

● 間欠性跛行の確認

一定距離歩行で症状出現し、休息で軽快するかを確認。

● 前屈テスト

前屈で症状が軽減するかを確認。

● ケンプテスト

腰椎伸展・回旋で症状が誘発されれば陽性。

SLRテスト(陰性が多い)

ヘルニアとの鑑別に有用。


■ 関連する筋肉

● 腰部

● 股関節・下肢

筋緊張や柔軟性低下が症状に影響する。


■ 鍼灸治療

● 腰部局所

● 殿部

● 下肢

● 阿是穴

  • 圧痛点・緊張部位

■ 遠隔穴


■ 経絡的理解

加齢性変化は腎虚として捉えることが多い。


■ 鍼灸的ポイント

  • 腰椎伸展ストレスを軽減する
  • 前屈姿勢の活用
  • 下肢筋の柔軟性改善
  • 慢性経過のため継続治療が重要

■ 鑑別ポイント

  • 腰椎椎間板ヘルニア:前屈で悪化
  • 梨状筋症候群:殿部圧痛・坐骨神経圧迫
  • 閉塞性動脈硬化症:血流障害による跛行
  • 腰部脊柱管狭窄症:前屈で軽快・間欠性跛行

■ まとめ

  • 脊柱管狭窄による神経圧迫
  • 間欠性跛行が最重要所見
  • 前屈で症状が軽快
  • 慢性進行性で高齢者に多い

FNS(Femoral Nerve Stretch test:大腿神経伸張テスト)

■ 概要

FNS(大腿神経伸張テスト)は、下肢を後方へ伸展させることで大腿神経および腰神経根(L2〜L4)に伸張ストレスを加え、上位腰椎由来の神経根症を評価する理学検査である。 ラセーグテスト(SLR)が後面(坐骨神経)を評価するのに対し、本検査は前面(大腿神経)を評価する重要な補完検査である。


■ 目的


■ 方法

  1. 患者を腹臥位とする
  2. 検者は患側の膝関節を屈曲する
  3. さらに大腿を軽度伸展(股関節伸展)させる
  4. 前大腿部の症状を確認する

■ 陽性所見

前大腿部(大腿前面)に疼痛・しびれ・放散痛が出現する場合を陽性とする。


■ 解釈(病態)

膝屈曲+股関節伸展により大腿神経が伸張され、神経根に圧迫や炎症がある場合に症状が誘発される。

前大腿部痛=FNS陽性を疑うことが臨床上重要である。


■ ラセーグテストとの対比(重要)

両者を組み合わせることで、神経障害レベルの推定が可能となる。


■ 鑑別のポイント

  • 腰部痛のみ → 筋・関節由来の可能性
  • 股関節前面痛 → 股関節疾患の可能性
  • SLR陰性+FNS陽性 → 上位腰椎病変を強く示唆

■ 東洋医学的関連

FNSで誘発される前大腿部痛は、東洋医学では痺証(ひしょう)として捉えられる。

  • 寒湿痺:重だるさ・冷えによる痛み
  • 瘀血:慢性的な刺痛
  • 脾虚・気血不足:筋の栄養低下

関連する経絡:

  • 足の陽明胃経(大腿前面)
  • 足の太陰脾経(内側ライン)
  • 足の少陽胆経(外側補助)

■ 鍼灸臨床との関連

● 病態把握

  • 急性期:気滞血瘀・寒湿阻滞
  • 慢性期:気血不足+瘀血

● 治療方針

  • 大腿神経周囲の緊張緩和
  • 前大腿部筋群(大腿四頭筋)の弛緩
  • 経絡の疏通(胃経・脾経)
  • 気血の補益

● 代表的な経穴

  • 伏兎(大腿前面の要穴)
  • 梁丘(急性痛に有効)
  • 足三里(胃経の調整・補益)
  • 血海(血の調整)
  • 陰陵泉(脾経の調整)

● 臨床的ポイント

  • 陽性例では過度な伸展ストレッチを避ける
  • 急性期は軽刺激+遠隔取穴
  • 改善後にストレッチ・運動療法を併用する

■ 注意点(安全管理)

  • 疼痛を強く誘発しすぎない
  • 急性炎症期では慎重に行う
  • 股関節障害との鑑別を意識する

■ まとめ

FNSは、大腿神経およびL2〜L4神経根の伸張による症状を評価する前大腿部痛の重要検査である。 ラセーグテストと組み合わせることで神経障害レベルの鑑別が可能となり、 東洋医学的には痺証・気血不足として捉え、鍼灸治療に応用できる。

腰椎椎間板ヘルニアまとめ

■ 概要

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の椎間板の髄核が後方へ突出し、神経根(主に坐骨神経)を圧迫することで、 腰痛および下肢への放散痛・しびれ・筋力低下を呈する疾患である。

  • 腰痛
  • 下肢への放散痛(坐骨神経痛)
  • しびれ・感覚異常
  • 筋力低下

■ 解剖

● 椎間板構造

  • 髄核(中心:ゼリー状)
  • 線維輪(外側:線維性)

● 好発部位

  • L4/5
  • L5/S1

※ 荷重が大きい下位腰椎に多い


■ 病態

● 発生機序

  • 前屈+回旋動作(荷物を持ち上げる動作など)
  • 長時間の座位
  • 椎間板の変性

● 特徴

  • 比較的急性発症
  • 強い神経根症状

※ 頸椎と同様に「急性+強い痛み」が特徴


■ 神経根と症状(重要)

  • L4:大腿前面〜内側のしびれ/膝伸展障害
  • L5:下腿外側〜足背/母趾背屈障害
  • S1:下腿後面〜足底/足関節底屈障害

デルマトーム・ミオトームに一致した症状が出現する。


■ 症状の特徴

  • 腰痛+下肢への放散痛
  • 前屈で痛み増強
  • しびれ・感覚異常
  • 咳・くしゃみで増悪

※ 坐骨神経痛が代表的症状


■ 理学検査

ラセーグテスト(SLR)

下肢を伸ばしたまま挙上し、痛みが出る角度を確認。
70°以下で坐骨神経痛が出現すれば陽性。

● ブラガードテスト

SLR陽性後に足関節背屈で痛み増強。

● FNSテスト

伏臥位で膝を屈曲し、大腿神経の伸張による症状を評価(L3〜L4)。

● 前屈制限

体幹前屈で疼痛が増強する。


■ 関連する筋肉

● 腰部

● 股関節周囲

● 下肢

筋緊張が神経圧迫を増悪させる。


■ 鍼灸治療

● 腰部局所

● 殿部

● 下肢(坐骨神経走行)

● 阿是穴

  • 圧痛点・放散痛再現部位

■ 遠隔穴


■ 経絡的理解

坐骨神経痛は膀胱経の走行と強く一致する。


■ 鍼灸的ポイント

  • 急性期は炎症を考慮し軽刺激
  • 神経根圧迫の軽減を優先
  • 殿筋・ハムストリングスの緊張緩和
  • 前屈負荷の制限が重要

■ 鑑別ポイント

  • 坐骨神経痛:症状名(原因は様々)
  • 梨状筋症候群:殿部での神経圧迫
  • 腰部脊柱管狭窄症:間欠性跛行
  • 腰椎椎間板ヘルニア:前屈で増悪する放散痛

■ まとめ

  • 椎間板突出による神経根圧迫
  • 坐骨神経痛が代表症状
  • 前屈で症状が悪化
  • デルマトームに一致した症状が重要

エデンテスト(Eden test / 肋鎖症候群テスト)

■ 概要

エデンテストは、肩甲帯を後下方へ引くことで肋鎖間隙(鎖骨と第1肋骨の間)を狭小化し、胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome:TOS)の有無を評価する理学検査である。 特に肋鎖症候群(costoclavicular syndrome)の評価に用いられる。


■ 目的

  • 肋鎖間隙での血管・神経圧迫の評価
  • 胸郭出口症候群の部位別鑑別
  • 姿勢異常による圧迫の評価

■ 方法

  1. 患者を座位または立位とする
  2. 検者は橈骨動脈の脈拍を触知する
  3. 患者に胸を張らせる(肩を後下方へ引く)
  4. 顎を軽く引き、姿勢を保持させる
  5. その状態で脈拍と症状の変化を確認する

■ 陽性所見

  • 橈骨動脈の拍動減弱または消失
  • 上肢のしびれ・疼痛・冷感

これらが認められる場合、陽性とする。


■ 解釈(病態)

肩甲帯を後下方へ引くことで、鎖骨と第1肋骨の間隔が狭くなり、以下の構造が圧迫される:

示唆される病態:

  • 胸郭出口症候群(肋鎖間隙型)
  • 鎖骨下部での圧迫
  • なで肩・重い荷物による慢性的圧迫

■ TOS3テストの整理(重要)

3つを組み合わせることで、圧迫部位の特定が可能となる。


■ 鑑別のポイント

  • 姿勢変化で症状増悪 → 肋鎖間隙の関与が強い
  • 頸椎テスト陽性 → 神経根症の可能性
  • 肩関節疾患 → 脈拍変化は乏しい

■ 東洋医学的関連

エデンテストで誘発される症状は、東洋医学では痺証(ひしょう)として理解される。

  • 気滞血瘀:圧迫による循環障害
  • 気血不通:しびれ・冷感
  • 痰湿:組織の圧迫要因

関連する経絡:

  • 手の太陰肺経(胸部〜上肢前面)
  • 手の陽明大腸経(肩前面)
  • 手の少陽三焦経(外側)

■ 鍼灸臨床との関連

● 病態把握

  • 局所:鎖骨下部の圧迫・血流障害
  • 全身:姿勢異常・気血循環低下

● 治療方針

  • 鎖骨下部の圧迫軽減
  • 肩甲帯の位置改善
  • 血流改善・神経圧迫の軽減
  • 経絡の通利

● 代表的な経穴

  • 缺盆(胸郭出口部の要穴)
  • 中府・雲門(胸部前面の調整)
  • 肩井(肩上部の緊張緩和)
  • 合谷・曲池(上肢症状)
  • 外関(三焦経調整)

● 臨床的ポイント

  • 姿勢改善(なで肩・巻き肩)が最重要
  • 重い荷物の持ち方・生活指導が効果的
  • 胸郭の可動性改善(呼吸訓練)も重要

■ 注意点(安全管理)

  • 過度な後方牽引を避ける
  • 脈拍は左右比較で評価する
  • めまい・気分不良があれば中止

■ まとめ

エデンテストは、肋鎖間隙での圧迫を評価する胸郭出口症候群の重要検査である。 アドソンテストライトテストと組み合わせることで障害部位の特定が可能となり、 東洋医学的には気血不通・痺証として捉え、鍼灸治療に応用できる。

胸椎椎間板ヘルニアまとめ

■ 概要

胸椎椎間板ヘルニアは、胸椎の椎間板が後方へ突出し、脊髄や神経根を圧迫することで、 背部痛や胸部・腹部の帯状痛、神経症状を呈する比較的まれな疾患である。

  • 背部痛(胸椎部)
  • 胸部・腹部の帯状の痛み
  • しびれ・感覚異常
  • 下肢症状(重症例)

■ 解剖

● 胸椎の特徴

  • 肋骨と連結し可動性が低い
  • 胸郭により安定している

● 椎間板構造

  • 髄核(中心)
  • 線維輪(外側)

線維輪の破綻により髄核が突出し、脊髄・神経根を圧迫する。

※ 胸椎は可動性が低いため発症頻度は少ない


■ 病態

● 発生機序

  • 加齢による椎間板変性
  • 外傷(転倒・衝撃)
  • 姿勢不良(円背など)

● 特徴

  • 発症頻度が低い(全ヘルニアの数%)
  • 症状が非典型で診断が遅れやすい

■ 症状の特徴

● 神経根症状

  • 胸部・側胸部の帯状痛
  • 肋間神経に沿った痛み

● 脊髄症状

  • 下肢のしびれ
  • 歩行障害
  • 排尿障害(重症例)

※ 内臓疾患と誤認されやすい


■ 関連する筋肉

● 背部

● 胸郭周囲

胸郭の硬さが負担を増大させる。


■ 理学検査

● 胸椎可動域テスト

回旋・伸展時の疼痛や可動域制限を確認する。

● 肋間神経圧痛

肋間部に沿った圧痛・放散痛を確認。

● 神経学的検査

下肢の感覚・筋力・反射を評価し、脊髄症状の有無を確認。

● スパーリングテスト(陰性)

頸椎由来との鑑別に有用。


■ 鍼灸治療

● 胸椎局所

● 背部兪穴

● 肋間部

  • 肋間の阿是穴

■ 遠隔穴


■ 経絡的理解

胸背部の症状は膀胱経と督脈の影響が大きい。


■ 鍼灸的ポイント

  • 胸郭の可動性改善が重要
  • 背部筋の緊張緩和
  • 肋間神経の走行を意識した治療
  • 内臓由来との鑑別を意識する

■ 鑑別ポイント

  • 肋間神経痛:局所的な神経痛
  • 内臓疾患(心・肺・消化器):関連痛の可能性
  • 頸椎椎間板ヘルニア:上肢症状中心
  • 胸椎椎間板ヘルニア:帯状痛・下肢症状

■ まとめ

  • 胸椎の椎間板突出による神経圧迫
  • 発症頻度は低いが見逃されやすい
  • 帯状の胸腹部痛が特徴
  • 重症例では脊髄症状を呈する

ライトテスト(Wright test)

■ 概要

ライトテストは、上肢を過外転位にすることで小胸筋下での血管・神経の圧迫を再現し、胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome:TOS)の有無を評価する理学検査である。 特に小胸筋症候群(pectoralis minor syndrome)の評価に有用である。


■ 目的


■ 方法

  1. 患者を座位または立位とする
  2. 検者は橈骨動脈の脈拍を触知する
  3. 患者の上肢を外転90〜180度、外旋位にする
  4. そのまま数十秒保持し、脈拍と症状の変化を確認する

■ 陽性所見

  • 橈骨動脈の拍動減弱または消失
  • 上肢のしびれ・疼痛・冷感

これらが出現した場合、陽性とする。


■ 解釈(病態)

上肢の過外転により、小胸筋が緊張し、烏口突起下で以下の構造が圧迫される:

示唆される病態:


■ アドソンテストとの違い(重要)

圧迫部位が異なるため、両者を併用することで障害部位の特定が可能となる。


■ 鑑別のポイント

  • エデンテスト陽性 → 肋鎖間隙での圧迫
  • 頸椎テスト陽性 → 神経根症の可能性
  • 肩関節疾患 → 挙上で疼痛は出るが脈拍変化は乏しい

■ 東洋医学的関連

ライトテストで誘発される症状は、東洋医学では痺証(ひしょう)として理解される。

  • 気滞血瘀:圧迫による循環障害
  • 気血不通:しびれ・冷感
  • 痰湿:筋緊張や腫脹による圧迫

関連する経絡:

  • 手の太陰肺経(胸部〜上肢前面)
  • 手の陽明大腸経(肩前外側)
  • 手の少陽三焦経(外側ライン)

■ 鍼灸臨床との関連

● 病態把握

  • 局所:小胸筋短縮・胸郭前面の緊張
  • 全身:姿勢異常+気血循環低下

● 治療方針

  • 小胸筋の緊張緩和
  • 胸郭前面の開放(胸郭拡張)
  • 血流改善・神経圧迫の軽減
  • 経絡の通利

● 代表的な経穴

  • 中府・雲門(胸部前面の調整)
  • 缺盆(胸郭出口部)
  • 肩井(肩上部の緊張緩和)
  • 合谷・曲池(上肢症状)
  • 外関(三焦経調整)

● 臨床的ポイント

  • 巻き肩・猫背の姿勢改善が必須
  • 小胸筋ストレッチの併用が有効
  • 呼吸改善(胸郭拡張)も重要

■ 注意点(安全管理)

  • 長時間の過外転位は避ける
  • 脈拍の変化は必ず左右比較する
  • めまい・気分不良があれば中止

■ まとめ

ライトテストは、小胸筋下での圧迫を評価する胸郭出口症候群の重要検査である。 アドソンテストなどと併用することで障害部位の特定が可能となり、 東洋医学的には気血不通・痺証として捉え、鍼灸治療に応用できる。