外腸骨動脈(External iliac artery)まとめ

概要

外腸骨動脈は総腸骨動脈の終枝の一つであり、主に下肢へ血液を供給する主要動脈である。
骨盤内から鼠径部を通過し、大腿動脈へ移行する。

  • 起始:総腸骨動脈
  • 走行:骨盤内側壁に沿って前下方へ
  • 移行:鼠径靭帯下で大腿動脈
  • 分布:下肢・腹壁下部

主な分枝

下腹壁動脈(Inferior epigastric artery)

②深腸骨回旋動脈(Deep circumflex iliac artery)


解剖学的特徴

  • 下肢への血流の起点となる重要動脈
  • 鼠径靭帯を境に名称が変わる(→大腿動脈
  • 腹壁・骨盤・下肢をつなぐ血流ルート

臨床的意義

下肢虚血

外腸骨動脈の狭窄・閉塞は、

  • 間欠性跛行
  • 冷感
  • しびれ

などの原因となる。

鼠径部の重要性

外腸骨動脈は鼠径靭帯直下で大腿動脈へ移行するため、

などで重要なランドマークとなる。

ヘルニアとの関係

下腹壁動脈

  • 内鼠径ヘルニア
  • 外鼠径ヘルニア

の鑑別において重要な指標となる。

スポーツ障害

鼠径部周囲の循環は

  • グロインペイン症候群
  • 股関節障害

と関連する。


東洋医学的関連

下肢と「肝・腎」

東洋医学では下肢は

  • 肝(筋)
  • 腎(骨・精)

と密接に関係する。

外腸骨動脈が供給する下肢血流は、 これらの機能の物質的基盤と捉えることができる。

鼠径部と経絡

鼠径部は多くの経絡が交差する重要部位である。

このため、気血の滞りが起こりやすい。

「気滞血瘀」と鼠径部痛

鼠径部や股関節周囲の痛みは

として解釈されることが多い。

腎虚と下肢症状

  • 足の冷え
  • 脱力感
  • 歩行不安定

などは腎虚と関連づけられる。


鍼灸臨床との関連

下肢循環改善

これらの経穴により

  • 血流改善
  • 筋機能改善

が図られる。

鼠径部の治療

は外腸骨動脈の走行に近い部位にあり、

  • 下肢循環
  • 股関節痛

に用いられる。

スポーツ障害

グロインペインや股関節障害では、

  • 局所刺鍼
  • 経絡調整

を組み合わせる。

冷え・虚証への対応

などを用いて、下肢の血流改善と全身調整を行う。


まとめ

  • 外腸骨動脈は総腸骨動脈の終枝で下肢への主幹動脈
  • 鼠径靭帯下で大腿動脈へ移行する
  • 下腹壁動脈・深腸骨回旋動脈を分枝
  • 下肢虚血・鼠径部疾患と関連
  • 東洋医学では肝・腎・経絡交差部と関係する

総肝動脈(Common hepatic artery)まとめ

概要

総肝動脈は腹腔動脈の主要な枝の一つであり、肝臓・十二指腸・膵臓へ血液を供給する重要な動脈である。
腹腔動脈から分岐後、右方へ走行し、途中で複数の枝に分かれる。


主な分枝

①胃十二指腸動脈

  • 幽門・十二指腸・膵頭部へ分布
  • 右胃大網動脈・上膵十二指腸動脈へ分岐

②固有肝動脈

  • 肝臓へ向かう主幹動脈
  • 右肝動脈・左肝動脈へ分岐

③右胃動脈(変異あり)


解剖学的特徴


血流支配領域

これらはすべて消化・代謝・内分泌に関与する臓器群である。


臨床的意義

肝血流と代謝

肝臓

  • 解毒
  • 代謝
  • 胆汁生成

を担う臓器であり、総肝動脈はその動脈血供給を担う。

門脈との二重血流

肝臓

  • 門脈(栄養血)
  • 肝動脈(酸素血)

の二重支配を受ける。

この構造は、肝機能維持に重要である。

消化器疾患との関連

  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 膵炎

などは、この血管領域と関連する。

肝疾患

  • 肝炎
  • 肝硬変
  • 肝腫瘍

では血流変化が重要となる。


東洋医学的関連

「肝」の機能と血流

東洋医学における「肝」は

  • 疏泄(気の流れの調整)
  • 蔵血(血の貯蔵)

を担う。

総肝動脈が供給する肝血流は、この「蔵血」機能と対応づけて理解できる。

肝と情志

肝は精神活動(情志)と密接に関係し、

  • ストレス
  • 怒り
  • 抑うつ

は肝気の失調を引き起こす。

肝脾不和

総肝動脈は消化器にも分布するため、

  • 肝(ストレス)
  • 脾胃(消化)

の関係(肝脾不和)と対応する。

  • 食欲不振
  • 腹部膨満
  • 下痢・便秘

胆との関係

肝と胆は表裏関係にあり、

  • 胆汁分泌
  • 消化機能

と関連する。


鍼灸臨床との関連

ストレス性消化障害

肝気を調整し、胃腸機能を改善する。

肝機能調整

これらは

  • 血流改善
  • 自律神経調整

を通じて肝機能に影響を与えると考えられる。

消化器症状

を用いて・十二指腸機能を調整する。

全身調整としての肝

肝は気血の流れを統括するため、

  • 肩こり
  • 頭痛
  • 自律神経症状

など幅広い症状に関与する。


まとめ

  • 総肝動脈は腹腔動脈の主要枝
  • 肝臓・十二指腸・膵臓へ血流供給
  • 固有肝動脈・胃十二指腸動脈へ分岐
  • 消化・代謝・内分泌に関与
  • 東洋医学では肝・脾胃・胆の関係と深く結びつく

脾動脈(Splenic artery)まとめ

概要

脾動脈は腹腔動脈の枝であり、脾臓へ向かう主要な動脈である。
また、走行中に膵臓(大弯側)へも枝を出す重要な血管である。


走行の特徴

脾動脈は特徴的な蛇行した走行を示し、 膵臓の上縁に沿って左側へ進み、脾門へ至る。

この蛇行は

  • 血流調整
  • 臓器運動への適応

などに関与すると考えられている。


主な分枝

①膵枝

  • 膵体・膵尾へ分布
  • 膵臓の主要血流の一部を担う

②短胃動脈

  • 底部へ分布
  • 複数本が脾門近くから分岐

③左胃大網動脈(左胃網動脈)

  • 大弯に沿って走行
  • 右胃大網動脈と吻合

④脾枝

  • 脾臓内へ分布
  • 終末動脈に近い構造

解剖学的特徴

  • 腹腔動脈の中で最も太く長い枝
  • 蛇行する特徴的な走行
  • 脾臓だけでなく膵臓にも分布

臨床的意義

脾梗塞

脾動脈は終末動脈に近いため、

  • 血栓
  • 塞栓

により脾梗塞を起こすことがある。

膵臓との関係

膵枝は膵体尾部の血流を担うため、

  • 膵炎
  • 膵機能障害

と関連する。

胃大弯側の血流

左胃大網動脈は大弯の血流を担い、

  • 胃炎
  • 胃潰瘍(大弯側)

に関与する可能性がある。

外傷

脾臓は外傷で損傷しやすく、

  • 腹腔内出血
  • ショック

の原因となる。


東洋医学的関連

西洋医学の「脾臓」と東洋医学の「脾」

西洋医学の脾臓と、東洋医学の「脾」は必ずしも一致しない。

  • 西洋医学:免疫・血液貯蔵
  • 東洋医学:消化吸収・運化作用

ただし機能的には、 消化・血液・栄養という点で共通する側面がある。

脾の運化作用

東洋医学の脾は

  • 飲食物の消化吸収
  • 気血生成

を担う。

脾動脈が膵臓にも分布する点は、 この概念と興味深く一致する。

脾虚と症状

  • 食欲不振
  • 疲労感
  • 下痢
  • むくみ

などは脾虚として説明される。

肝脾不和

ストレス(肝)と消化(脾)の関係は密接であり、

  • 腹部膨満
  • 食欲低下
  • 過敏性腸症候群

などとして現れる。


鍼灸臨床との関連

消化機能の改善

これらの経穴により

が図られる。

血虚・疲労

脾は気血生成と関係するため、

  • 倦怠感
  • 貧血傾向

などにも対応する。

ストレス性消化障害

を用いて肝脾のバランスを整える。


まとめ

  • 脾動脈は腹腔動脈の枝で最も太く長い
  • 脾臓膵臓大弯へ血流供給
  • 蛇行する特徴的な走行を持つ
  • 膵機能・消化機能と関連
  • 東洋医学では脾の運化作用と関連づけて理解できる

左胃動脈(Left gastric artery)まとめ

概要

左胃動脈は腹腔動脈の枝であり、胃へ向かう動脈の中で最も細く、かつ重要な血管である。
主に胃小弯側および下部食道へ血液を供給する。

  • 起始:腹腔動脈
  • 走行:上方へ向かった後、胃小弯に沿って右方へ
  • 分布:胃小弯・下部食道

走行と分布

左胃動脈は腹腔動脈から分岐後、

  • 食道裂孔方向へ上行
  • 食道枝を出す
  • 胃小弯に沿って右方へ走行

最終的に右胃動脈と吻合する。


主な分枝

①食道枝

  • 下部食道へ分布
  • 食道静脈叢と関連

②胃枝

  • 胃小弯側へ分布
  • 胃粘膜・筋層を栄養

胃小弯動脈弓

左胃動脈は右胃動脈と吻合し、 胃小弯動脈弓を形成する。

これにより胃の血流は安定して維持される。


解剖学的特徴

  • 腹腔動脈の最も細い枝
  • 胃小弯に沿って走行
  • 食道と胃の境界領域に関与

臨床的意義

胃潰瘍との関係

胃小弯は血流が比較的弱くなりやすい部位であり、

  • 胃潰瘍
  • 慢性胃炎

が発生しやすい。

食道静脈瘤

左胃動脈の食道枝は静脈系と関連し、

  • 門脈圧亢進
  • 食道静脈瘤

と関係する重要な領域である。

ストレスと胃機能

自律神経の影響により胃血流は変化し、

  • 胃痛
  • 胃もたれ
  • 機能性ディスペプシア

などが生じる。


東洋医学的関連

脾胃と気血生成

胃は東洋医学において「水穀の海」とされ、

  • 消化吸収
  • 気血の生成

に関与する中心的臓腑である。

胃気の下降

胃の正常な働きは「和降」であり、

  • 嘔気
  • 逆流
  • げっぷ

などは胃気上逆として捉えられる。

肝胃不和

ストレスにより肝の疏泄が失調すると、

  • 胃痛
  • 胃部膨満
  • 食欲低下

などが生じる(肝胃不和)。

食道と気逆

食道領域は「気の上逆」と関連し、

  • 逆流性食道炎
  • 呑酸

などとして現れる。

鍼灸臨床との関連

胃痛・胃もたれ

これらの経穴は

  • 胃運動調整
  • 血流改善
  • 自律神経調整

に作用すると考えられる。

ストレス性胃症状

を用いて肝気を調整し、胃機能の改善を図る。

逆流性症状

食道枝と関連する症状として

  • 呑酸
  • 胸やけ

などに対しては、

などが用いられる。


まとめ

  • 左胃動脈は腹腔動脈の枝
  • 胃小弯および下部食道へ血液供給
  • 右胃動脈と吻合し動脈弓を形成
  • 胃潰瘍・食道静脈瘤と関連
  • 東洋医学では脾胃・気機・肝胃不和と深く関係する

筋横隔動脈(Musculophrenic artery)まとめ

概要

筋横隔動脈は内胸動脈の終枝の一つであり、主に横隔膜および肋間筋へ血液を供給する動脈である。
内胸動脈が第6肋間付近で分岐し、その外側へ向かう枝が筋横隔動脈である。


主な分枝と分布

①前肋間動脈(第7〜9肋間)

  • 肋間筋へ血流供給
  • 後肋間動脈と吻合

②横隔膜枝

  • 横隔膜筋部へ血液供給
  • 呼吸運動に関与する重要な血流

③腹壁枝

  • 腹直筋上部・腹斜筋へ分布

解剖学的特徴

呼吸運動に関与する筋群へ広く血流を供給する点が特徴である。


臨床的意義

呼吸機能との関係

筋横隔動脈は横隔膜の血流を担うため、

  • 呼吸機能
  • 換気効率
  • 呼吸筋疲労

に関与する。

横隔膜機能低下

横隔膜の血流低下や緊張は

  • 浅い呼吸
  • 息苦しさ
  • 疲労感

などにつながる可能性がある。

肋間筋緊張

肋間筋の過緊張は

  • 胸郭可動性低下
  • 呼吸制限
  • 胸部不快感

を引き起こす。


東洋医学的関連

横隔膜と「気機の昇降」

横隔膜は東洋医学的に 気の昇降を調節する重要な部位とされる。

この機能は

  • 肺の宣発粛降
  • 肝の疏泄
  • 脾の昇清

などと密接に関係する。

「胸脇苦満」と横隔膜

横隔膜周囲の緊張は、

として現れることがある。

肝気鬱結との関連

精神的ストレスにより肝気が鬱滞すると、

  • 横隔膜緊張
  • 呼吸抑制
  • 胸部圧迫感

などが生じる。


鍼灸臨床との関連

呼吸改善アプローチ

筋横隔動脈の灌流領域である横隔膜肋間筋は、鍼灸で重要な治療対象となる。

これらの経穴により

  • 呼吸改善
  • 胸郭拡張
  • 気機調整

が図られる。

肋間部への刺鍼

肋間部の治療は

  • 肋間筋緊張緩和
  • 胸郭可動性改善
  • 疼痛軽減

に有効である。

自律神経調整

呼吸と自律神経は密接に関連しており、

は副交感神経優位へと導く。

ストレス関連症状

  • 過換気
  • 不安感
  • 動悸

などは横隔膜緊張と関連するため、鍼灸治療の重要対象となる。


まとめ

  • 筋横隔動脈は内胸動脈の終枝
  • 横隔膜肋間筋へ血流供給
  • 呼吸機能に重要な血管
  • 東洋医学では気機の昇降と関連
  • 鍼灸では呼吸・ストレス・自律神経調整に関与

肩甲下動脈(Subscapular artery)まとめ

概要

肩甲下動脈は腋窩動脈第3部から分岐する動脈であり、腋窩動脈の枝の中では最も太い枝である。
主に肩甲骨周囲・肩甲下筋広背筋などへ血液を供給する。


主な分枝

①肩甲回旋動脈

肩甲三角(上腕三頭筋長頭・小円筋大円筋)を通過し、肩甲骨背面へ回り込む動脈である。

などを栄養する。

②胸背動脈

広背筋へ向かう動脈であり、広背筋の主要血管である。

などを栄養する。


肩甲骨周囲動脈吻合

肩甲下動脈は肩甲骨周囲の重要な動脈吻合に関与する。

主に次の血管と連絡する。

この動脈ネットワークにより、

などの際にも側副循環が維持される。


栄養筋

これらはすべて肩関節の安定や上肢運動に関与する重要な筋群である。


臨床的意義

肩関節疾患

肩甲下動脈の栄養領域には肩関節の安定に関与する筋群が多く含まれる。

などでは、これら筋群の循環障害が関与することがある。

肩甲骨周囲痛

棘下筋小円筋の筋緊張は

  • 肩甲骨後面痛
  • 肩後方の違和感
  • 腕の挙上時痛

などを生じる。

広背筋の役割

胸背動脈が栄養する広背筋

  • 上肢内転
  • 上肢内旋
  • 体幹安定

に関与する大きな筋であり、スポーツや姿勢維持と深く関係する。


東洋医学的関連

肩甲骨周囲と経絡

肩甲下動脈の灌流領域は、東洋医学でいう

の走行と重なる。

特に肩甲骨周囲は、東洋医学で 「気血の停滞が起こりやすい部位」とされる。

肩甲骨と背部兪穴

肩甲骨内側には

などの重要な背部兪穴が存在する。

これらは

  • 呼吸機能
  • 自律神経調整
  • 慢性疲労

などと関連する。


鍼灸臨床との関連

五十肩の治療

肩甲下動脈が栄養する筋群は、五十肩の原因となる筋群と重なる。

これらの筋への刺鍼は

  • 血流改善
  • 筋緊張緩和
  • 可動域改善

などの効果をもたらすと考えられる。

肩甲骨周囲の治療穴

これらの経穴は肩甲骨周囲の筋群に作用し、肩関節障害や肩背部痛の治療に用いられる。

広背筋と体幹機能

広背筋は体幹安定と深く関係するため、

  • スポーツ障害
  • 腰背部痛
  • 姿勢異常

などの治療でも重要な対象となる。


まとめ

  • 肩甲下動脈は腋窩動脈第3部から分岐する最大の枝
  • 肩甲回旋動脈と胸背動脈に分かれる
  • 肩甲骨周囲動脈吻合を形成する重要な血管
  • 腱板筋群や広背筋の血流に関与
  • 鍼灸臨床では五十肩や肩甲骨周囲痛と深く関連する

頸横動脈(Transverse cervical artery)まとめ

概要

頸横動脈は甲状頸動脈から分岐する動脈で、主に僧帽筋肩甲骨周囲・頸背部へ血液を供給する血管である。
頸部を横走して肩甲骨方向へ向かうことからこの名称が付けられている。


主な分枝

①浅枝(表在枝)

  • 僧帽筋へ分布
  • 肩背部の表層筋群の血流を担う

②深枝(肩甲背動脈)


栄養領域

これらの筋は姿勢維持・肩甲骨安定に重要な筋群であり、慢性的な肩こりの発生源となりやすい部位である。


肩甲骨周囲動脈吻合

頸横動脈の深枝(肩甲背動脈)は、次の血管と吻合して肩甲骨周囲動脈網を形成する。

この吻合により、

などの際に側副循環として働く。


解剖学的特徴

  • 肩甲骨内側縁を走行する重要な血管
  • 背側肩甲神経と近接する
  • 肩甲骨内側部の筋血流に関与

臨床的意義

肩こりとの関連

頸横動脈は僧帽筋菱形筋肩甲挙筋など、
慢性肩こりの主要な筋群を栄養する血管である。

これらの筋の緊張が続くと

  • 血流低下
  • 筋疲労
  • トリガーポイント形成

などが起こり、頸肩部痛の原因となる。

肩甲背神経障害

肩甲挙筋菱形筋の筋力低下・肩甲骨内側部痛は、
背側肩甲神経の障害と関連することがあり、頸横動脈の走行部と近接している。

肩甲骨内側部痛

  • 長時間のデスクワーク
  • 猫背姿勢
  • スマートフォン姿勢

などにより、この血管の灌流領域の筋群に慢性循環障害が生じる。


東洋医学的関連

肩背部の気血循環

頸横動脈の栄養領域は、東洋医学でいう

の走行と重なる。

特に肩甲骨内側縁は、東洋医学では 「気血が滞りやすい部位」とされる。

肩甲骨内側縁と膏肓

菱形筋の深部には有名な経穴膏肓(こうこう)が存在する。

膏肓は古典で

  • 慢性虚弱
  • 肺疾患
  • 慢性疲労

などに重要な穴とされ、肩甲骨内側部の深部循環と関係すると考えられる。

肩背部と肺経・心包経

肩背部は

  • 肺の宣発粛降
  • 気血循環

とも関連するとされ、呼吸障害やストレス性緊張が肩背部に現れることがある。


鍼灸臨床との関連

肩こり治療の重要領域

頸横動脈が栄養する筋群は、鍼灸臨床で最も治療対象となる部位の一つである。

これらの経穴への刺鍼は

  • 筋緊張緩和
  • 血流改善
  • トリガーポイント解除

などの作用を通じて、頸横動脈領域の循環改善に寄与すると考えられる。

姿勢性肩こり

デスクワークに伴う

などは、この血管領域の循環障害と関連する。

自律神経との関連

頸肩部の筋緊張は交感神経緊張と関連することが多く、
鍼刺激による血流改善は自律神経調整にも寄与する。


まとめ