1.筋肉の名称(和名・英名・ラテン語)
- 和名:肩甲挙筋(けんこうきょきん)
- 英名:Levator scapulae muscle
- ラテン語:Musculus levator scapulae
2.起始・停止
- 起始:
- 第1〜第4頸椎の横突起後結節(posterior tubercles of transverse processes of C1–C4)
- 停止:
- 肩甲骨内側縁の上部(肩甲骨上角から肩甲棘根部まで)
3.支配神経
- 肩甲背神経(C5)
- 頸神経叢の枝(C3・C4)
4.作用
肩甲挙筋は僧帽筋上部線維とともに肩を引き上げる働きを持つが、 過緊張すると首の付け根のこりや痛みの原因となる。
5.関連する経穴
- 肩井(GB21):僧帽筋と肩甲挙筋の交わる部
- 肩外兪(SI14):肩甲挙筋外縁付近
- 肩中兪(SI15):肩甲挙筋上方、頸項部の緊張点に一致
- 天柱(BL10):上部付着部(C1〜C2周囲)の筋緊張点に近い
6.臨床での関連
- 慢性肩こり(首〜肩甲骨内側の痛み・こわばり)
- 頸椎症・ストレートネックによる筋緊張
- 頸肩腕症候群(肩甲挙筋部のトリガーポイントによる放散痛)
- 肩甲骨の動きの制限(肩甲骨上方移動・下方回旋異常)
- ストレス・姿勢不良による過緊張(常に肩をすくめる状態)
肩甲挙筋の緊張は肩甲骨の可動制限・頸部痛・片頭痛に直結する。 鍼灸では「肩井」「肩外兪」「天柱」などを用い、頸肩部の血流改善を図る。
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