肩甲骨(Scapula)の特徴と筋付着部
骨の名称
- 和名:肩甲骨
- 英名:Scapula
- ラテン名:Scapula
分類
特徴・ランドマーク
- 位置と形状
- 第2~第7肋骨の高さに位置する三角形の扁平骨。
- 上角・下角・内側縁・外側縁をもつ。
- 主要部位
- 肩甲棘(spine of scapula):後面を横断する隆起。外端は肩峰に続く。
- 肩峰(acromion):肩甲棘の外端。鎖骨と関節(肩鎖関節)を形成。
- 烏口突起(coracoid process):前上方に突出し、筋・靭帯の付着部となる。
- 関節窩(glenoid cavity):上腕骨頭と関節(肩甲上腕関節)を形成。
- 上縁(superior border):切痕(肩甲切痕)をもち、上肩甲神経と動脈が通過。
- 肩甲下窩(subscapular fossa):前面の広い凹面。肩甲下筋が起始。
- 棘上窩(supraspinous fossa):棘の上方。棘上筋が起始。
- 棘下窩(infraspinous fossa):棘の下方。棘下筋が起始。
- 外側角(lateral angle):関節窩と頸部を含む部分。
- 肩甲頸(neck of scapula):関節窩の周囲のやや細い部分。
関節
- 肩甲上腕関節:上腕骨頭と関節窩で構成(自由度が高い球関節)
- 肩鎖関節:肩峰と鎖骨外端で構成
- 肩甲胸郭関節(生理的関節):肩甲骨前面と胸郭の間での滑動運動
筋付着
- 起始する筋(肩甲骨から始まる)
- 前面(肩甲下窩):肩甲下筋
- 後面:
- 烏口突起:
- 肩甲棘:
- 停止する筋(肩甲骨で終わる)
神経支配(関連する筋を通じて)
血管との関係
臨床的意義
- 肩甲骨骨折:高エネルギー外傷で発生。しばしば肋骨骨折や肺損傷を伴う。
- 肩甲骨翼状変形:長胸神経麻痺により前鋸筋が麻痺し、肩甲骨内側縁が浮き上がる。
- 肩峰下インピンジメント症候群:肩峰下で腱板が圧迫され炎症を起こす。
- 烏口突起痛:小胸筋・烏口腕筋・上腕二頭筋短頭の過緊張により誘発。
触診ポイント
- 肩甲棘:肩の後面を横断する明瞭な稜線として触知。
- 肩峰:肩の最外側点として触知。
- 下角:腋窩線付近で明瞭に触れ、前鋸筋の動きを確認可能。
- 内側縁:背部上方で菱形筋の下に触知。
- 烏口突起:鎖骨外側端の下方やや前方で圧痛点として重要。
東洋医学的関連
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