広背筋の起始・停止・作用まとめ

1.筋肉の名称(和名・英名・ラテン語)

  • 和名:広背筋
  • 英名:Latissimus dorsi muscle
  • ラテン語:Musculus latissimus dorsi

2.起始・停止

  • 起始:
    • 第6〜第12胸椎棘突起
    • 胸腰筋膜を介して腰椎・仙椎棘突起、腸骨稜後部
    • 第9〜第12肋骨外面
    • 肩甲骨下角(ときに連結)
  • 停止:
    • 上腕骨小結節稜(crest of lesser tubercle of humerus)

3.支配神経

  • 胸背神経(C6〜C8)

4.作用

  • 肩関節の伸展
  • 肩関節の内転
  • 肩関節の内旋
  • 上肢固定時:体幹の引き上げ(懸垂・クライミング動作)
  • 呼吸補助筋:強い呼気時に肋骨を下制

5.関連する経穴

広背筋は体幹背面を広く覆い、上肢の強い引き動作や姿勢保持に重要。 経絡的には足太陽膀胱経・少陽胆経・小腸経との関連が強く、肩背部から腰背部までの経穴に対応する。

6.臨床での関連(肩・背中・腰など)

  • 肩関節可動域制限:広背筋短縮により肩屈曲や外転が制限される
  • 腰背部痛:胸腰筋膜を介して腰部筋群と連動し、慢性腰痛の原因となる
  • 猫背・円背姿勢:広背筋過緊張による肩後方牽引
  • 呼吸制限:肋骨下制筋として過緊張すると呼吸が浅くなる
  • スポーツ障害:水泳・野球・懸垂などの動作で筋膜炎や付着部炎が生じやすい

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