三角筋の起始・停止・作用まとめ

Deltoid muscle animation4

1.筋肉の名称(和名・英名・ラテン語)

  • 和名:三角筋(さんかくきん)
  • 英名:Deltoid muscle
  • ラテン語:Musculus deltoideus

2.起始・停止

  • 起始:
    • 鎖骨の外側1/3(Lateral third of clavicle)
    • 肩峰(Acromion)
    • 肩甲棘(Spine of scapula)
  • 停止:
    • 上腕骨三角筋粗面(Deltoid tuberosity of humerus)
三角筋は鎖骨・肩甲骨・上腕骨をつなぐ大きな三角形の筋で、 前部・中部・後部に分かれ、それぞれ異なる方向に上腕を動かす。

3.支配神経

  • 腋窩神経(Axillary nerve, C5〜C6)

4.作用

  • 前部線維:上腕の屈曲・内旋(flexion, internal rotation)
  • 中部線維:上腕の外転(abduction)
  • 後部線維:上腕の伸展・外旋(extension, external rotation)
上腕を約15〜90°外転させる主動筋。 初動(0〜15°)は棘上筋が担い、その後三角筋中部が働く。

5.関連する経穴

三角筋は手の陽明大腸経・手の少陽三焦経・手の太陽小腸経の経穴領域にまたがる。 「肩髃」「肩髎」「臂臑」は肩関節痛・五十肩の治療点として極めて重要。

6.臨床での関連

  • 五十肩・肩関節周囲炎による運動制限
  • 肩こり・肩前部の張り
  • 腋窩神経損傷による筋萎縮・外転障害
  • スポーツや重労働による筋過緊張・筋膜痛
  • 注射部位筋(ワクチン接種などで使用)としても有名

7.臨床メモ

  • 三角筋は肩関節の主動筋であり、前・中・後部線維のバランスが重要。
  • 肩髃(LI15)」「肩髎(TE14)」「臂臑(LI14)」などの経穴は、痛みの局所治療点として有効。
  • 腋窩神経障害では肩外側の感覚低下と筋萎縮が見られる。
  • ストレッチや軽い外転運動で肩周囲血流を促進し、可動域を維持できる。

0 件のコメント:

コメントを投稿