内胸動脈(Internal thoracic artery)まとめ

概要

内胸動脈は鎖骨下動脈から分岐し、胸骨のすぐ外側を縦走する重要な動脈で、 前胸壁・乳腺・横隔膜腹直筋上部へ血流を供給します。 取穴では膻中中府雲門乳根など、 胸部正中〜傍正中の理解に不可欠な血管です。


起始・終止

  • 起始:鎖骨下動脈(第1肋骨の内側付近)
  • 終止:第6肋軟骨付近で以下に分岐
    • 上腹壁動脈
    • 筋横隔動脈

走行

  • 胸骨の外側縁から約1~2cm外側を下行。
  • 肋軟骨の深部、胸膜の前方を走行する。
  • 肋間動脈前枝を分枝しながら前胸壁を栄養。
  • 下方では腹直筋鞘内へ移行する。

主な分枝

  • 前肋間枝:第1~6肋間へ
  • 穿通枝:皮膚・乳腺へ(特に重要)
  • 上腹壁動脈腹直筋・腹壁前面
  • 筋横隔動脈横隔膜・肋骨下縁

栄養領域


臨床的意義

  • CABG:冠動脈バイパス術で最も使用されるグラフト。
  • 胸部刺鍼:前胸部での深刺は内胸動脈損傷のリスク。
  • 乳腺外科:穿通枝の損傷に注意。
  • 胸骨正中切開:術後循環評価で重要。

体表ランドマーク・注意点

  • 胸骨縁のすぐ外側を走行。
  • 正中から約1~2横指外側が危険ゾーン。
  • 胸膜の前を走るため、深部操作は気胸リスクも伴う。

東洋医学的観点(取穴との関係)


関連疾患・キーワード

  • 冠動脈疾患(CABGグラフト)
  • 前胸部外傷
  • 医原性血管損傷(刺鍼・手術)
  • 乳腺循環障害

要点まとめ

項目要点
起始鎖骨下動脈
走行胸骨外側を縦走
終止上腹壁動脈・筋横隔動脈
取穴関連膻中中府乳根


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