横隔膜の起始・停止・作用まとめ

1.筋肉の名称(和名・英名・ラテン語)

  • 和名:横隔膜
  • 英名:Diaphragm
  • ラテン語:Diaphragma

2.起始・停止

  • 起始:
    • 胸骨部:剣状突起後面
    • 肋骨部:第7〜第12肋骨内面(肋軟骨内側縁)
    • 腰椎部:第1〜第3腰椎の椎体前面および内側・外側弓状靱帯
  • 停止:
    • 腱中心(central tendon)

3.支配神経

  • 横隔神経(C3〜C5)
  • ※「C3,4,5 keep the diaphragm alive(横隔膜を生かす)」の語呂で有名

4.作用

  • 吸気時:収縮して下降し、胸腔容積を拡大(吸息)
  • 呼気時:弛緩して上昇し、胸腔容積を減少(呼息)
  • 腹圧の上昇:排便・排尿・分娩・咳・くしゃみなどを補助
  • 静脈還流の促進:胸腔・腹腔の圧差により下大静脈の血流を助ける

5.関連する経穴

横隔膜は胸と腹を分ける境界筋であり、呼吸運動・循環・内臓機能の要。 経穴では膈兪や膻中が代表的で、「気・血の循環」や「呼吸・情動の安定」に関与する領域。

6.臨床での関連(呼吸・姿勢・自律神経など)

  • 呼吸機能障害:浅い呼吸・過呼吸・慢性疲労・不安感などと関連
  • 自律神経の乱れ:迷走神経・横隔神経との関係で消化・循環機能に影響
  • 姿勢異常:横隔膜緊張により胸郭拡張制限や腰椎前弯増強が起こる
  • 胃部不快・逆流性食道炎:食道裂孔周囲の筋緊張と関連
  • 感情ストレス:横隔膜が硬直し「ため息」や「胸のつかえ」として表れる

0 件のコメント:

コメントを投稿