脊柱起立筋まとめ

1.概要

脊柱起立筋は腸肋筋最長筋棘筋の3筋からなる長大な筋群で、脊柱を後方から支え、 姿勢保持・脊柱伸展の中心的役割を担う。
頭部から骨盤まで連続するため、全身の姿勢制御に深く関わる。

2.構成筋


3.起始・停止(概略)

  • 腸肋筋(Iliocostalis)
    ・起始:腸骨稜、仙骨、腰椎棘上靭帯、肋骨角
    ・停止:肋骨、頸椎横突起
  • 最長筋(Longissimus)
    ・起始:仙骨、腰椎横突起、胸椎横突起
    ・停止:肋骨、胸椎・頸椎横突起、側頭骨乳様突起
  • 棘筋(Spinalis)
    ・起始:上位腰椎〜下位胸椎の棘突起
    ・停止:上位胸椎〜頸椎の棘突起

4.支配神経

  • 脊髄神経後枝(全脊柱レベル)

5.作用

  • 両側収縮:脊柱の伸展(姿勢を起こす)
  • 片側収縮:脊柱の側屈(同側)
  • 頭頸部の軽度回旋に関与
  • 立位姿勢の維持(抗重力筋)

6.ランドマーク・触診ポイント

  • 脊柱の両側に隆起する縦走筋群
  • 腰部では表在に位置し触知しやすい
  • 胸椎部は肩甲骨下角外側ラインで触診しやすい

7.関連する経穴(東洋医学)

脊柱起立筋の緊張は腰背部痛・姿勢異常に直結するため、経穴治療での重要部位。

8.臨床的重要性

  • 慢性腰痛の最も重要な原因筋のひとつ
  • 長時間座位・立位で過緊張 → 筋疲労
  • ギックリ腰(急性腰痛)の主因になることも多い
  • 脊柱の歪み(側弯・骨盤前傾)に関与
  • トリガーポイント → 腰部・骨盤周囲へ放散痛

9.構成関節

  • 脊柱全体(環椎〜仙骨)
  • 肋骨(腸肋筋)
  • 頭蓋(最長筋)

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