肩関節周囲炎まとめ

■ 概要

肩関節周囲炎は、いわゆる「五十肩」と呼ばれる疾患で、肩関節周囲の軟部組織(関節包・腱・滑液包など)の炎症や拘縮によって、 疼痛と可動域制限を呈する。

  • 肩の痛み(特に夜間痛)
  • 外旋・外転の可動域制限
  • 日常生活動作の障害(結帯動作・結髪動作)

■ 病態

① 炎症期(疼痛優位)

  • 関節包・滑膜の炎症
  • 安静時痛・夜間痛が強い

② 拘縮期(凍結期)

  • 関節包の線維化・癒着
  • 可動域制限が主体

③ 回復期

  • 徐々に可動域が改善

※ 炎症 → 拘縮への移行が本質


■ 関連する筋肉

● 回旋筋腱板(最重要)

特に、棘上筋の機能低下と肩甲下筋の短縮が可動域制限に強く関与する。

● その他関連筋


■ 可動域制限の特徴

  • 外旋(最も早期から制限)
  • 外転
  • 屈曲
  • 内旋(後期)

※ 外旋制限は重要な鑑別ポイント


■ 理学検査

● 結帯動作(Apley下方テスト)

背中に手を回し、反対側の肩甲骨に触れる動作を行う。
内旋・伸展の制限が評価できる。

● 結髪動作(Apley上方テスト)

頭の後ろに手を回す動作。
外転・外旋の制限を評価する。

ドロップアームテスト

外転位から腕をゆっくり下ろす。保持できず落下する場合は腱板損傷を疑う。
肩関節周囲炎との鑑別に重要。

ペインフルアークサイン

外転60〜120度で痛みが出現する場合は、肩峰下インピンジメントを示唆する。

● 外旋制限テスト

肘を体側につけた状態で外旋させ、左右差を確認する。
肩関節周囲炎では著明な制限がみられる。


■ 鍼灸治療

● 局所穴

● 後面(回旋筋腱板)

● 前面(拘縮改善)

● 阿是穴


■ 遠隔穴


■ 経絡的理解

肩関節は陽経の交会部であり、複数経絡の影響を受ける。


■ 鍼灸的ポイント

  • 炎症期は刺激を抑え、鎮痛重視
  • 拘縮期は可動域改善を主目的とする
  • 肩関節の動きを重視する
  • 内旋筋群(大胸筋肩甲下筋)の緊張を緩める

■ まとめ

  • 炎症 → 拘縮が本質
  • 外旋制限が重要所見
  • 回旋筋腱板+内旋筋の関与が大きい
  • フェーズに応じた治療が重要

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