■ 概要
腱板損傷は、肩関節の安定性と運動に重要な回旋筋腱板(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の腱が損傷または断裂する疾患である。 特に棘上筋腱の損傷が最も多い。
- 肩外転時の疼痛
- 筋力低下(特に外転)
- 挙上困難(ドロップアーム)
- 夜間痛(中等度〜強い)
■ 病態
● 発生機序
- 加齢による腱の変性
- 反復使用(オーバーユース)
- 肩峰下インピンジメントの進行
- 外傷(転倒など)
● 損傷の分類
- 部分断裂
- 完全断裂
※インピンジメント → 腱板損傷へ進行するケースが多い
■ 関連する筋肉(回旋筋腱板)
● 棘上筋(最重要)
- 外転初動(0〜30度)
- 最も損傷しやすい
- 外旋
- 関節安定化
● 肩甲下筋
- 内旋
- 前方安定性
■ 補助的に重要な筋
■ 可動域・機能の特徴
- 外転時の筋力低下
- 外旋筋力低下(棘下筋損傷時)
- 可動域は保たれることもある(初期)
※ 可動域よりも「筋力低下」が重要な所見
■ 理学検査
● ドロップアームテスト
肩を外転位からゆっくり下ろさせる。保持できず落下すれば陽性。
棘上筋断裂を強く示唆。
● 空き缶テスト(Empty Can Test)
肩関節外転・内旋位(親指下向き)で抵抗を加える。疼痛や筋力低下で陽性。
棘上筋機能を評価。
● フルカンテスト(Full Can Test)
親指上向きで抵抗を加える。空き缶テストより特異度が高い。
● 外旋抵抗テスト
外旋方向に抵抗を加え、筋力低下があれば棘下筋損傷を疑う。
● リフトオフテスト
背部に手を当てて後方へ離す。不能であれば肩甲下筋損傷。
■ 鍼灸治療
● 局所穴
● 回旋筋腱板アプローチ
● 深部アプローチ
- 結節間溝部(上腕二頭筋長頭腱)
- 阿是穴(圧痛点)
● 前面拘縮改善
■ 遠隔穴
■ 経絡的理解
肩外側・後面の障害は陽経(特に三焦・小腸経)との関連が強い。
■ 鍼灸的ポイント
- 筋力低下の評価が重要
- 断裂が疑われる場合は無理な可動域訓練を避ける
- 周囲筋の代償緊張を緩和する
- 肩甲骨運動の改善が必須

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