椎前筋群まとめ

椎前筋群は、頸部の前面、脊柱の最も深層に位置する筋群で、頸椎の安定化、頭頸部の屈曲、頸部姿勢保持に重要な役割を持ちます。特に現代に多いスマホ首(ストレートネック)に関係する筋群です。


◆ 構成筋


◆ 起始・停止・作用・神経支配

筋名起始停止作用神経
頭長筋 C3~C6横突起 後頭骨底部 頭部の屈曲、姿勢安定 頸神経叢(C1~C3)
頸長筋 C3~T3椎体前面 C1~C6椎体前面 頸椎の屈曲、前弯維持 頸神経叢(C2~C6)
前斜角筋 C3~C6横突起 第1肋骨 頸部側屈、肋骨挙上(吸気補助) 頸神経叢(C4~C6)
内側頭直筋 環椎(C1)前面 後頭骨底部 環椎−頭蓋の屈曲 頸神経(C1)
外側頭直筋 環椎(C1)横突起 後頭骨外側部 頭部側屈 頸神経(C1)

◆ 主な働き(機能)

  • 頸椎の前弯維持(生理的カーブ保持)
  • 頭部・頸部の繊細な屈曲・安定
  • ストレートネック改善に重要
  • 深層筋として姿勢コントロールを行う

◆ 触診ポイント(間接的評価)

  • 胸鎖乳突筋の深部にあり直接触診は困難
  • 嚥下時の頸部安定性や顎の突出習慣から評価
  • 深層屈筋が弱い場合、胸鎖乳突筋が過緊張しやすい

◆ 臨床・機能的特徴

  • スマホ首・ストレートネックの主要原因
  • 慢性肩こり・緊張性頭痛と関連
  • 顎関節症(TMD)とも関係
  • トレーニングは「深層頸屈筋トレーニング(chin tuck)」が有効

◆ 東洋医学的関連(経絡)

  • 頸の前面は任脈胃経が走行し、嚥下や呼吸と関係
  • 胸鎖乳突筋過緊張は胆経の気滞と関連して頭痛を生む
  • 顎・舌骨筋群肝経腎経と関連)とも機能連携する

🎓 椎前筋群は「頸のインナーマッスル」であり、現代の姿勢トラブル改善には不可欠な重要筋群です。

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