上腕動脈まとめ

概要

上腕動脈は、腋窩動脈の遠位への連続として上腕を走行し、前腕へ血液を供給する上肢の主幹動脈です。 臨床では血圧測定・脈診・カテーテル操作などで極めて重要であり、 東洋医学的にも取穴や経絡走行と重なる部位として頻出します。


起始・終止


走行

  • 上腕内側を下行し、上腕骨の内側を伴走する。
  • 上腕二頭筋の内側溝(上腕内側溝)を走行。
  • 正中神経と密接な位置関係を持ち、途中で交叉する。
  • 肘窩中央で最も表在化し、分岐部となる。

主な分枝

  • 深上腕動脈:上腕後面へ(橈骨神経と伴走)
  • 上・下尺側副動脈肘関節周囲の動脈網を形成
  • 筋枝:上腕筋群へ分布

栄養領域


臨床的意義

  • 血圧測定:マンシェット使用時の聴診部位。
  • 触診:上腕内側溝や肘窩で拍動を触知。
  • カテーテル・注射:誤穿刺に注意が必要。
  • 外傷:上腕骨骨折に伴う損傷で重篤な虚血を生じ得る。
  • 末梢循環評価:肘以下の血流障害の中枢評価点。

触診ポイント

  • 上腕内側溝(上腕二頭筋の内側)
  • 肘窩中央(肘を軽く伸展させると触れやすい)
  • 血圧測定時は肘窩で聴診器を当てる

東洋医学的関連(取穴との関係)


関連疾患

  • 上腕動脈閉塞・血栓
  • 外傷性血管損傷
  • 仮性動脈瘤(穿刺後)
  • 末梢動脈疾患(PAD)

要点まとめ

項目要点
起始腋窩動脈の連続(大円筋下縁)
終止肘窩で橈骨動脈尺骨動脈へ分岐
臨床血圧測定、触診、外傷評価
取穴関連心経心包経、肘周囲経穴


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