有鈎骨(Hamate)の特徴と筋付着部

Hamate bone (left hand) - animation01

概要

有鈎骨は手根骨の遠位列・尺側に位置する骨で、掌側に突出する「有鈎骨鈎(hook of hamate)」が特徴です。この鈎は手根管およびギヨン管の形成に関わり、尺骨神経・尺骨動脈の走行と深く関係します。手の尺側支持や把握動作に重要な役割を担います。



ランドマーク

  • 有鈎骨鈎(Hook of hamate):掌側に突出した鉤状突起で触診可能
  • 遠位関節面:第四・第五中手骨と関節
  • 橈側面:有頭骨との幅広い関節面
  • 近位面:三角骨との関節面


付着する筋(起始・停止)



構成する関節

  • 有鈎骨-有頭骨関節
  • 有鈎骨-三角骨関節
  • 有鈎骨-第四中手骨関節
  • 有鈎骨-第五中手骨関節


関連する靭帯

  • 掌側手根間靭帯
  • 背側手根間靭帯
  • 有鈎骨-第五中手骨靭帯
  • 有鈎骨-第四中手骨靭帯
  • 有鈎骨-三角骨靭帯


隣接する骨



触診ポイント

  • 豆状骨から斜め橈側へ約1cm:有鈎骨鈎が触れやすい。
  • 手のひらの中央よりやや尺側:押圧で特徴的な鋭い圧痛が出やすい。
  • ギヨン管付近:尺骨神経の走行と関連し、しびれの鑑別点となる。
  • グリップ動作で疼痛が増悪しやすい:特に野球・ゴルフにおける有鈎骨鈎骨折が有名。


東洋医学的関連

有鈎骨は手の尺側に位置し、以下の経絡との関連が考えられます。

  • 手の太陽小腸経尺側手根部の緊張は小腸経の気滞と結びつくことがある。
  • 手の少陰心経心包・心経は掌尺側の熱感や痛みに関与。
  • 手の厥陰心包経ギヨン管付近の神経症状と関連付けられる場合あり。
  • 握力の気:有鈎骨鈎は小指球筋群の働きと関係し、東洋医学では「把握の気」の停滞に影響するとされる。

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