概要
腕橈関節は、上腕骨小頭と橈骨頭から構成される肘関節の外側ステアリング機構です。肘関節の屈曲・伸展に加え、橈骨頭が回旋することで前腕の回内・回外運動にも深く関わります。外側側副靭帯が安定性に重要です。
構成する骨
関節分類
滑膜性関節/楕円関節(球状関節に近い滑走と回転を併せ持つ)
主な運動
- 肘の屈曲・伸展補助
- 前腕の回内・回外(橈骨頭の回転)
支持組織(靭帯・関節包など)
- 橈側側副靭帯(RCL)
- 輪状靭帯(橈骨頭を保持)
- 関節包(外側は強く内側は薄い)
付着する筋(起始・停止)
神経支配
- 橈骨神経(伸筋群)
血液供給
- 橈骨動脈・上腕動脈の側副枝(橈骨反回動脈など)
触診ポイント
- 肘を90°屈曲、前腕回外位で外側上顆の下に小さな窪み=関節裂隙を触知できる。
- 回内・回外で橈骨頭の回転が指先で確認できる。
- 圧痛がある場合:テニス肘(外側上顆炎)・橈骨頭障害を疑う。
臨床的重要性
- テニス肘(外側上顆炎)と深く関与
- 橈骨頭亜脱臼(肘内障)の評価ポイント
- 回内回外制限はADLに大きな影響
東洋医学的関連
関連する経絡- 手の陽明大腸経(曲池〜手三里〜合谷ライン)
- 手の太陽小腸経(肘外側後部を通過)
- 手の少陽三焦経(肘外側後方に接近)
- テニス肘(外側上顆炎)に曲池+手三里の刺鍼は非常に有効
- 回外筋の緊張緩和で回内外可動域が改善
- 慢性炎症には灸治療(知熱灸・箱灸)も推奨
- 肩・手首との連動評価が必須

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