■ 概要
ライトテストは、上肢を過外転位にすることで小胸筋下での血管・神経の圧迫を再現し、胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome:TOS)の有無を評価する理学検査である。 特に小胸筋症候群(pectoralis minor syndrome)の評価に有用である。
■ 目的
■ 方法
- 患者を座位または立位とする
- 検者は橈骨動脈の脈拍を触知する
- 患者の上肢を外転90〜180度、外旋位にする
- そのまま数十秒保持し、脈拍と症状の変化を確認する
■ 陽性所見
- 橈骨動脈の拍動減弱または消失
- 上肢のしびれ・疼痛・冷感
これらが出現した場合、陽性とする。
■ 解釈(病態)
上肢の過外転により、小胸筋が緊張し、烏口突起下で以下の構造が圧迫される:
示唆される病態:
■ アドソンテストとの違い(重要)
圧迫部位が異なるため、両者を併用することで障害部位の特定が可能となる。
■ 鑑別のポイント
- エデンテスト陽性 → 肋鎖間隙での圧迫
- 頸椎テスト陽性 → 神経根症の可能性
- 肩関節疾患 → 挙上で疼痛は出るが脈拍変化は乏しい
■ 東洋医学的関連
ライトテストで誘発される症状は、東洋医学では痺証(ひしょう)として理解される。
- 気滞血瘀:圧迫による循環障害
- 気血不通:しびれ・冷感
- 痰湿:筋緊張や腫脹による圧迫
関連する経絡:
- 手の太陰肺経(胸部〜上肢前面)
- 手の陽明大腸経(肩前外側)
- 手の少陽三焦経(外側ライン)
■ 鍼灸臨床との関連
● 病態把握
- 局所:小胸筋短縮・胸郭前面の緊張
- 全身:姿勢異常+気血循環低下
● 治療方針
- 小胸筋の緊張緩和
- 胸郭前面の開放(胸郭拡張)
- 血流改善・神経圧迫の軽減
- 経絡の通利
● 代表的な経穴
- 中府・雲門(胸部前面の調整)
- 缺盆(胸郭出口部)
- 肩井(肩上部の緊張緩和)
- 合谷・曲池(上肢症状)
- 外関(三焦経調整)
● 臨床的ポイント
- 巻き肩・猫背の姿勢改善が必須
- 小胸筋ストレッチの併用が有効
- 呼吸改善(胸郭拡張)も重要
■ 注意点(安全管理)
- 長時間の過外転位は避ける
- 脈拍の変化は必ず左右比較する
- めまい・気分不良があれば中止
■ まとめ
ライトテストは、小胸筋下での圧迫を評価する胸郭出口症候群の重要検査である。 アドソンテストなどと併用することで障害部位の特定が可能となり、 東洋医学的には気血不通・痺証として捉え、鍼灸治療に応用できる。
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