表情筋は、顔面に存在する皮筋群であり、皮膚に付着して表情を作るという特徴を持ちます。多くの骨格筋が骨から骨へ付着するのに対し、表情筋は骨 → 皮膚に付着するため、顔の細かな表情変化を可能にします。
すべての表情筋は顔面神経(第Ⅶ脳神経)によって支配されます。
◆ 表情筋の特徴
- 皮膚に付着する皮筋
- 顔面神経(第Ⅶ脳神経)支配
- 感情表現・発声・咀嚼補助に関与
- 口・眼・鼻などの開閉運動を行う
◆ 主な表情筋
| 部位 | 筋名 | 主な作用 |
|---|---|---|
| 前頭部 | 後頭前頭筋(前頭腹) | 眉を上げる、額のしわを作る |
| 眼周囲 | 眼輪筋 | 眼瞼を閉じる |
| 鼻部 | 鼻筋 | 鼻孔の開閉、鼻背のしわ形成 |
| 口周囲 | 口輪筋 | 口唇を閉じる、突出 |
| 頬部 | 頬筋 | 頬を引き締める、咀嚼補助 |
| 頸部 | 広頚筋 | 口角を下げる、頸部皮膚を緊張 |
◆ 機能的分類
① 眼周囲筋
- 眼輪筋
- 皺眉筋
② 鼻筋群
- 鼻筋
- 鼻中隔下制筋
③ 口周囲筋
- 口輪筋
- 大頬骨筋
- 小頬骨筋
- 口角挙筋
- 口角下制筋
- 笑筋
- オトガイ筋
◆ 支配神経
顔面神経は耳下腺内で枝分かれし、以下の5枝に分布します。
- 側頭枝
- 頬骨枝
- 頬筋枝
- 下顎縁枝
- 頸枝
◆ 臨床的特徴
- 顔面神経麻痺(ベル麻痺)で表情筋麻痺
- 閉眼不能(兎眼)
- 口角下垂
- 鼻唇溝の消失
◆ 東洋医学的関連
表情筋は「顔面神経機能・感情表現・咀嚼補助」を担う重要な筋群であり、顔面神経麻痺の評価において極めて重要です。

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