1.名称(和名・英名・ラテン語)
- 和名:眼輪筋
- 英名:Orbicularis oculi muscle
- ラテン語:Musculus orbicularis oculi
眼輪筋は、眼窩の周囲を同心円状に取り巻く表情筋であり、
まぶたを閉じたり、瞬きをしたり、涙を流す動作に関わる。
表情筋の中でも特に感情表現と防御反応に重要な筋である。
2.構成と区分
- 眼窩部(orbital part):眼窩の周囲を取り巻き、強い閉眼を行う。
- 眼瞼部(palpebral part):上・下まぶた内にあり、瞬目運動を担う。
- 涙嚢部(lacrimal part):内眼角付近にあり、涙の排出を助ける。
各部は連続して存在し、必要に応じて選択的に収縮する。
例えば、優しく目を閉じる時は眼瞼部のみ、
強く閉じる時は眼窩部まで動員される。
3.起始・停止
- 起始:内眼角の内側眼瞼靭帯(medial palpebral ligament)および涙骨稜
- 停止:眼瞼周囲の皮膚・外側眼瞼靭帯
筋線維は同心円状に眼を取り巻き、収縮によってまぶたを閉じる。
また、涙嚢部は涙嚢を圧迫して涙液を鼻腔へと導く働きも持つ。
4.支配神経
眼輪筋は表情筋の一つであり、すべて
顔面神経支配。
顔面神経麻痺では瞬きができず、角膜乾燥や流涙が生じることがある。
5.作用
- 眼瞼部:まぶたを軽く閉じる(瞬目・睡眠時)
- 眼窩部:まぶたを強く閉じる(まぶしい光・強い感情時)
- 涙嚢部:涙液を涙管へ送り出す
眼輪筋の協調的な収縮は、角膜保護と涙液循環を維持する。
表情面では、笑うときや目を細める動作(いわゆる「笑いじわ」)を作る。
6.関連する経穴
眼輪筋の周囲には
足の太陽膀胱経、陽明胃経、少陽胆経などが交錯する。
鍼灸臨床では、
眼精疲労・まぶたのけいれん・顔面神経麻痺に対して
これらの経穴がよく用いられる。
7.臨床での関連(症状・特徴)
- 顔面神経麻痺による閉瞼不能・流涙
- まぶたのけいれん(眼瞼ミオキミア)
- 眼精疲労やドライアイによる過緊張
- 笑いじわ・目尻のしわの形成
眼輪筋は表情と眼の保護機構を兼ねる筋であり、
緊張や疲労が顔の印象や眼の健康に直結する。
鍼灸・マッサージでは、筋の緊張緩和により眼精疲労や表情改善を図る。
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