概要
股関節は寛骨臼と大腿骨頭で構成される球関節(球状関節)で、人体で最も可動域と安定性の両者を兼ね備えた関節である。
体重支持、歩行・走行・立ち座りなど下肢のほぼすべての動作に関与する。
関節の分類
- 球関節(滑膜性関節)
関節を構成する骨
関節構造
- 関節軟骨:大腿骨頭と寛骨臼の軟骨で摩擦を軽減
- 関節包:厚く強靭、広範囲の安定性を提供
- 関節唇:関節窩を深くし、安定性を強化
- 腸骨大腿靭帯(最強の靭帯、立位での安定に重要)
- 恥骨大腿靭帯
- 坐骨大腿靭帯
- 大腿骨頭靭帯(骨頭への血流維持にも重要)
運動
- 屈曲・伸展
- 外転・内転
- 内旋・外旋
- 大きな可動域を持つが、強靭な靭帯により過可動は制限される
触診ポイント
- 上前腸骨棘(ASIS)
- 大転子(股関節触診の基本ランドマーク)
- 鼠径部(大腿動脈の触診も可能)
- 梨状筋や中殿筋の圧痛で股関節周囲の機能障害を推測
臨床的重要性
- 変形性股関節症(特に中年以降の女性に多い)
- 発育性股関節形成不全(小児)
- 梨状筋症候群(股関節外旋位の制限と関連)
- 姿勢不良による股関節の過負荷
- スポーツでの股関節前面痛・後面痛の評価に重要
関連する経穴・臨床ポイント
関連する経絡 関連する代表的な経穴- 環跳(GB30) – 股関節後外側の重要穴、坐骨神経痛に頻用
- 居髎(GB29) – 股関節外側の要穴
- 衝門(SP12) – 鼠径部の緊張に関連
- 気衝(ST30) – 下肢への気血の通り道
- 陰廉(LR11) – 股関節内側の痛みに使用
- 崑崙(BL60) – 遠隔の経穴だが股関節痛に有効なことが多い
- 変形性股関節症の疼痛緩和
- 梨状筋症候群、殿部筋の緊張緩和
- 股関節可動域改善(特に内旋・外旋制限)
- 片脚荷重や姿勢不良に伴う恒常的な痛みの軽減
- 鼠径部痛症候群(グロインペイン)への応用
国家試験で重要なポイント
- 球関節である(自由度が高い)
- 腸骨大腿靭帯は人体最強レベルの靭帯
- 大腿骨頭靭帯には血管が通る
- 寛骨臼は腸骨・坐骨・恥骨で構成

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