概要
DIP関節(Distal Interphalangeal Joint)は、各指の中節骨と末節骨の間に位置する蝶番関節(滑車関節)です。
屈伸運動を主に担い、精緻な指先の操作に重要な役割を果たします。
母指ではIP関節が同等の機能を持ちます。
構成する骨
- 中節骨(基部)
- 末節骨(基部)
関節の分類
蝶番関節(滑車関節)/単軸性シノビアルジョイント
主な運動
- 屈曲:約70〜90°
- 伸展:わずか(+5°程度)
関連する靭帯
- 側副靭帯:側方安定性を保持
- 掌側板(掌側靭帯):過伸展を防ぐ
- 伸筋腱伸展機構(terminal tendon)
付着する筋(作用する筋)
臨床的重要性
- マレットフィンガー(槌指):末節骨基部で伸筋腱断裂
- DIP関節拘縮:深指屈筋の短縮や癒着
- 変形性関節症(ヘバーデン結節):DIPに特異的に生じやすい
東洋医学的関連
- 経絡の通過:
DIP付近には以下の経絡が巡る指末端の要所が位置する: - 関連する経穴:
DIPに最も近い重要経穴(井穴): - 鍼灸の臨床での利用:
- DIP痛、ヘバーデン結節:井穴への刺鍼・刺絡で改善を図ることが多い
- 末端刺激により気血の発散・鎮痛効果が期待される
- 指先の循環改善、神経系調整目的で使用される

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