概要
立方骨は足根骨の外側部に位置し、踵骨と前足部(第4・第5中足骨)をつなぐ骨です。外側縦アーチと横アーチの要であり、足部外側の安定性に大きく関与します。また、長腓骨筋腱が走行する溝(腱鞘)を持ち、歩行時の外側アーチ保持に重要な役割を果たします。
ランドマーク
- 立方骨溝(Groove for fibularis longus tendon):長腓骨筋腱が通る明瞭な溝。
- 前面(Anterior surfaces):第4・第5中足骨との関節面。
- 後面(Posterior surface):踵骨立方関節を形成。
- 内側面(Medial surface):外側楔状骨・舟状骨と接する面。
- 外側面(Lateral surface):皮膚に比較的近く触知しやすい。
付着する筋
- 長腓骨筋(Fibularis longus):立方骨溝を通過し、アーチ維持に寄与。
付着する靭帯
- 踵立方靭帯(Calcaneocuboid ligament)
- 足底踵立方靭帯(Long plantar ligament)
- 短足底靭帯(Short plantar ligament)
- 立方舟靭帯(Cubonavicular ligament)
- 立方中足靭帯
構成する関節
- 踵立方関節(Calcaneocuboid joint):横足根関節の外側を構成し、安定性が高い。
- 立方中足関節(Tarsometatarsal joints, 4–5):第4・第5中足骨と関節を形成。
- 立方舟関節(Cubonavicular joint)(存在する場合)
- 立方楔状関節(Cubo-cuneiform joint):外側楔状骨と関節。
触診ポイント
- 第5中足骨の基部から後方(踵側)を指でたどると、立方骨の外側面に触れられる。
- 外側縦アーチの中央部で、やや沈んだ感触の骨性隆起として確認できる。
- 「キュボイド症候群(Cuboid syndrome)」では圧痛が明確で、外側アーチに不整が感じられることがある。
- 長腓骨筋腱の緊張が高い場合、立方骨溝周囲で抵抗感を触れやすい。
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