立方骨(Cuboid)の特徴と筋付着部

Cuboid bone - animation01

概要

立方骨足根骨の外側部に位置し、踵骨と前足部(第4・第5中足骨)をつなぐ骨です。外側縦アーチと横アーチの要であり、足部外側の安定性に大きく関与します。また、長腓骨筋腱が走行する溝(腱鞘)を持ち、歩行時の外側アーチ保持に重要な役割を果たします。



ランドマーク

  • 立方骨溝(Groove for fibularis longus tendon)長腓骨筋腱が通る明瞭な溝。
  • 前面(Anterior surfaces):第4・第5中足骨との関節面。
  • 後面(Posterior surface)踵骨立方関節を形成。
  • 内側面(Medial surface)外側楔状骨舟状骨と接する面。
  • 外側面(Lateral surface):皮膚に比較的近く触知しやすい。


付着する筋



付着する靭帯

  • 踵立方靭帯(Calcaneocuboid ligament)
  • 足底踵立方靭帯(Long plantar ligament)
  • 短足底靭帯(Short plantar ligament)
  • 立方舟靭帯(Cubonavicular ligament)
  • 立方中足靭帯


構成する関節

  • 踵立方関節(Calcaneocuboid joint)横足根関節の外側を構成し、安定性が高い。
  • 立方中足関節(Tarsometatarsal joints, 4–5):第4・第5中足骨と関節を形成。
  • 立方舟関節(Cubonavicular joint)(存在する場合)
  • 立方楔状関節(Cubo-cuneiform joint)外側楔状骨と関節。


触診ポイント

  • 第5中足骨の基部から後方(踵側)を指でたどると、立方骨の外側面に触れられる。
  • 外側縦アーチの中央部で、やや沈んだ感触の骨性隆起として確認できる。
  • 「キュボイド症候群(Cuboid syndrome)」では圧痛が明確で、外側アーチに不整が感じられることがある。
  • 長腓骨筋腱の緊張が高い場合、立方骨溝周囲で抵抗感を触れやすい。


東洋医学的関連

  • 足少陽胆経:足外側を走行し、立方骨周囲の痛みは胆経ラインの乱れと関連することが多い。
  • 足太陽膀胱経:外側足部を支配し、立方骨近辺の不調は膀胱経の緊張や経気の滞りと考えられる。
  • 長腓骨筋との関連 → 肝胆の疏泄作用:東洋医学では外側アーチの機能低下は「気滞」「疏泄不良」として扱われることがある。
  • 外側足部の痛みは、全身の「気の流れ」の偏りを示す指標として用いられることがある。

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