肘筋は上腕三頭筋の遠位外側部に位置し、上腕骨外側上顆から尺骨後面にかけて付着する小筋。 肘関節の伸展補助と関節包の緊張維持により、関節安定に寄与する。 解剖学的には上腕三頭筋の一部とみなされることもある。
肘筋は上腕骨外側上顆から起こり、肘頭外側部に扇状に広がって停止する。 上腕三頭筋の腱と連続し、肘関節後面の安定化と滑走性を高める。
上腕三頭筋と同じく橈骨神経に支配される。 これは機能的にも肘伸展動作を補助するためである。
肘筋は主に上腕三頭筋の補助として働くが、 小さいながらも肘関節の安定化と滑らかな伸展に欠かせない。 肘を伸ばす終末動作での微細な調整に関与する。
肘筋は手の少陽三焦経および手の陽明大腸経の経路上に位置する。 天井・曲池・肘髎は、肘関節の伸展痛・肘頭周囲炎・外側上顆炎に効果的。 肘筋の緊張は「肘を伸ばすと痛い」「肘頭が重い」などの症状に関与する。
肘筋は小さいため痛みを訴えにくいが、上腕三頭筋遠位部の張りや肘後面の鈍痛に関係する。 テニスや腕立て伏せなど、肘伸展を多用する動作で過緊張を起こすことがある。 鍼灸では「天井」や「曲池」を用いて、肘関節周囲の緊張を緩和する。 肘関節包との癒着を防ぐリハビリにも重要。
0 件のコメント:
コメントを投稿