概要
交感神経幹は脊柱の両側を縦走する自律神経系(交感神経)の主幹構造である。 脳脊髄神経とは異なり、節前線維と節後線維を中継する神経節の連鎖から構成される。 全身の血管収縮、心拍数増加、発汗、瞳孔散大などの「闘争・逃走反応」を調整する。
構成
- 頸部神経節(上・中・下)
- 胸部神経節(約12対)
- 腰部神経節(約4対)
- 仙骨部神経節(約4対)
- 奇神経節(無対:尾側で左右合流)
走行
交感神経幹は頭蓋底から尾骨前面まで、 脊柱の前外側を縦走する。
各脊髄神経とは白交通枝(節前線維)および 灰白交通枝(節後線維)で連絡する。
神経線維の経路
- 同レベルでシナプス
- 上行または下行してシナプス
- 内臓神経として通過し腹腔神経節へ
主な内臓神経
- 大内臓神経(T5–T9)
- 小内臓神経(T10–T11)
- 最下内臓神経(T12)
- 腰内臓神経
支配機能
- 心拍数増加
- 血管収縮
- 発汗促進
- 瞳孔散大
- 消化管運動抑制
- 膀胱弛緩
臨床的ポイント
- ホルネル症候群(頸部交感神経障害)
- 多汗症治療(胸部交感神経切除)
- レイノー病
- 複合性局所疼痛症候群(CRPS)
関連する血管
副交感神経との対比
- 交感神経:胸腰髄(T1–L2)起始
- 副交感神経:脳幹・仙髄(S2–S4)起始
東洋医学的観点
交感神経幹は全身の緊張状態を統括し、 東洋医学では「陽」「気」「衛気」と関連づけられる。
関連経絡
背部兪穴は各内臓の自律神経反応点として臨床応用される。
まとめ
交感神経幹は脊柱両側を縦走する自律神経の中枢連絡路であり、 全身の血流・発汗・内臓機能を統合的に制御する。 分節構造と内臓神経の理解が臨床応用に不可欠である。
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