ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)まとめ

■ 概要

ドケルバン病は、母指の伸展・外転に関与する腱(長母指外転筋・短母指伸筋)が通過する第1背側コンパートメントにおいて、 腱鞘の肥厚・狭窄が生じ、疼痛を呈する狭窄性腱鞘炎である。

  • 手関節橈側(親指側)の痛み
  • 母指の動きで疼痛増強
  • 腫脹・圧痛
  • 産後や更年期女性に多い

■ 解剖

● 第1背側コンパートメント

手関節橈側、橈骨茎状突起付近に存在する腱鞘トンネル。

※ 狭いトンネル内で腱が滑走するため、摩擦が生じやすい


■ 病態

● 本質

  • 腱鞘の肥厚・狭窄
  • 腱の滑走障害

● 発生機序

  • 母指の反復使用(抱っこ・スマホ操作など)
  • ホルモン変化(妊娠・出産・更年期)
  • オーバーユース

※ 「使いすぎ+滑走不全」が本質


■ 関連する筋肉

● 主働筋

● 補助筋


■ 症状の特徴

  • 橈骨茎状突起部の圧痛
  • 母指の動作で鋭い痛み
  • 物をつかむ・持ち上げると痛む
  • 腫脹・熱感を伴うこともある

※ 「親指を動かすと手首の外側が痛い」が典型


■ 理学検査

● フィンケルシュタインテスト

母指を握り込んで手関節を尺屈させる。
橈側手関節に強い疼痛が出現すれば陽性。

● Eichhoffテスト

母指を握り込んだ状態で患者自身に尺屈させる方法。
フィンケルシュタインテストと類似。

● 抵抗外転テスト

母指外転に抵抗を加え、疼痛の有無を確認する。


■ 鍼灸治療

● 局所穴(橈側手関節)

● 前腕橈側

● 阿是穴

  • 橈骨茎状突起周囲の圧痛点

■ 遠隔穴


■ 経絡的理解

母指橈側の症状は、大腸経・肺経の走行と一致する。


■ 鍼灸的ポイント

  • 腱の滑走改善を意識する
  • 局所の炎症を抑えつつ循環改善
  • 母指の過使用を制限する指導が重要
  • 前腕橈側筋群の緊張を緩和する

■ 鑑別ポイント

  • 手根管症候群:しびれ(正中神経)
  • ばね指:屈筋腱の引っかかり
  • ドケルバン病:母指運動での橈側手関節痛

■ まとめ

  • 第1背側コンパートメントの狭窄が本質
  • 母指の使いすぎで発症
  • フィンケルシュタインテストが有効
  • 腱の滑走改善と負荷軽減が治療の鍵

0 件のコメント:

コメントを投稿