Ⅺ.副神経(Accessory nerve)まとめ

概要

副神経は脳神経第Ⅺ番にあたる運動神経であり、 主に胸鎖乳突筋および僧帽筋を支配する。 頭部運動や肩の挙上に深く関与し、頸部・肩周囲症状と密接な関係を持つ。


神経の性質

  • 分類:運動神経(体性運動)
  • 主な機能:頭部回旋、肩甲帯の安定
  • 中枢:延髄・上位頸髄(副神経核)

走行

副神経は脊髄性根延髄性根から構成される。 脊髄性根はC1〜C5レベルの前角から出て上行し、 大後頭孔を通って頭蓋内へ入る。

延髄性根と合流した後、頸静脈孔を通って頭蓋外へ出て、 胸鎖乳突筋を貫き、さらに僧帽筋へ分布する。


支配筋


機能


臨床的ポイント

  • 副神経麻痺:肩下垂、肩こり様症状
  • 頭部回旋障害
  • 頸部リンパ節郭清後の障害
  • 頸静脈孔症候群(Ⅸ・Ⅹ・Ⅺ障害)

関連する血管

  • 後下小脳動脈
  • 後頭動脈
  • 浅頸動脈

東洋医学的観点

副神経が支配する頸部・肩周囲は、 東洋医学では気血の停滞が生じやすい部位とされる。 特に肝気鬱結瘀血が関与すると考えられている。

  • 肩こり・頸部痛:肝気鬱結、瘀血
  • 可動域制限:気滞血瘀
  • 慢性緊張:ストレスとの関連

関連経絡・経穴

臨床では肩井(GB21)風池(GB20)天柱(BL10)などが 頸肩部症状の改善に用いられる。

まとめ

副神経は頭部・肩甲帯の運動を担う純粋な運動神経であり、 頸肩部症状と密接な関係を持つ。 解剖学的理解とともに、 東洋医学的な気血循環・ストレスの視点を併せることで、 臨床応用の幅が広がる神経である。

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