Ⅻ.舌下神経(Hypoglossal nerve)まとめ

概要

舌下神経は脳神経第Ⅻ番にあたる運動神経であり、 舌筋群を支配して舌の運動を司る。 構音、嚥下、咀嚼に不可欠な神経で、障害されると日常生活への影響が大きい。


神経の性質

  • 分類:運動神経(体性運動)
  • 主な機能:舌運動の制御
  • 中枢:延髄(舌下神経核)

走行

舌下神経は延髄錐体とオリーブの間から複数の根として出現する。 その後、舌下神経管を通って頭蓋外へ出る。

頭蓋外では内頸動脈・内頸静脈の間を走行し、 下顎角付近から舌下部へ向かい、 舌筋群へ分布する。


支配筋


機能

  • 舌の前後・上下・左右運動
  • 構音の調整
  • 嚥下の補助

臨床的ポイント

  • 舌下神経麻痺:舌偏位
  • 患側への舌偏位(末梢性障害)
  • 舌萎縮・線維束性攣縮
  • 構音障害、嚥下障害

関連する血管


東洋医学的観点

舌は東洋医学において心・脾・腎との関連が深く、 全身状態を反映する重要な部位とされる。 舌下神経障害は、気血両虚腎精不足として捉えられることがある。

  • 舌運動低下:気虚・血虚
  • 構音障害:心神失調
  • 舌萎縮・震え:腎精不足

関連経絡・経穴

臨床では廉泉(CV23)金津・玉液(EX-HN12)太渓(KI3)などが 構音・嚥下障害や舌運動改善に用いられる。


まとめ

舌下神経は舌運動を司る純粋な運動神経であり、 構音・嚥下といった高次機能に深く関与する。 解剖学的理解に加え、 東洋医学的な臓腑・気血の視点を組み合わせることで、 評価と治療の幅が広がる重要な神経である。

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