概要
内腸骨動脈は総腸骨動脈の終枝の一つであり、主に骨盤内臓・殿部・会陰へ血液を供給する重要な動脈である。
骨盤内に入り、前枝と後枝に分かれて広範囲に分布する。
- 起始:総腸骨動脈
- 走行:骨盤内へ下降
- 分布:骨盤内臓・殿部・会陰
主な分枝
①後枝(体壁系)
- 腸腰動脈:腸腰筋・腰部へ
- 外側仙骨動脈:仙骨・脊柱管周囲
- 上殿動脈:殿筋(中殿筋・小殿筋)
②前枝(内臓系)
- 臍動脈:膀胱上部(胎児期は臍へ)
- 閉鎖動脈:内転筋群・股関節
- 下殿動脈:大殿筋
- 内陰部動脈:会陰・外陰部
- 子宮動脈(女性):子宮
- 膀胱動脈:膀胱
解剖学的特徴
- 前枝(内臓)と後枝(体壁)に分かれる
- 骨盤内の主要血流を担う
- 泌尿・生殖・排泄機能と密接に関係
血流支配領域
- 膀胱
- 直腸
- 子宮・前立腺
- 会陰・外陰部
- 殿筋群
臨床的意義
骨盤内臓機能
内腸骨動脈は
- 排尿
- 排便
- 生殖機能
に関わる臓器へ血流を供給する。
婦人科・泌尿器疾患
- 月経異常
- 子宮筋腫
- 前立腺肥大
- 排尿障害
などはこの血流領域と関連する。
殿部痛・坐骨神経
上殿動脈・下殿動脈は殿筋群に分布し、
- 殿部痛
- 坐骨神経痛
と関係する。
骨盤うっ血
骨盤内の血流停滞は
- 慢性骨盤痛
- 冷え
- 月経困難
の原因となる。
東洋医学的関連
「腎」と生殖・水分代謝
骨盤内臓は東洋医学で 腎の支配領域とされる。
- 生殖機能
- 成長・発育
- 水分代謝
これらは内腸骨動脈の灌流領域と一致する。
肝と血の調整
子宮・月経は「血」と深く関係し、
- 肝(蔵血)
- 衝脈・任脈
と関連する。
「瘀血」と骨盤内
骨盤内は血流が停滞しやすく、
- 月経痛
- 慢性骨盤痛
- 冷え
は瘀血として解釈されることが多い。
会陰と経絡
会陰部は
が交わる重要部位である。
鍼灸臨床との関連
婦人科疾患
これらは
- 子宮血流改善
- ホルモン調整
に関与すると考えられる。
泌尿器症状
排尿障害や頻尿に用いられる。
殿部・坐骨神経痛
殿筋群の血流改善・神経圧迫軽減を目的とする。
骨盤内うっ血・冷え
を用いて、骨盤内循環と全身調整を行う。
まとめ
- 内腸骨動脈は骨盤内臓・殿部・会陰を支配
- 前枝(内臓)と後枝(体壁)に分かれる
- 生殖・排尿・排便機能と密接に関連
- 東洋医学では腎・肝・衝任と深く関係
- 鍼灸では婦人科・泌尿器・骨盤内症状の重要基盤となる
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