概要
MTP関節は、中足骨頭と基節骨底の間に形成される関節で、第1〜第5趾に存在する。
足趾の屈伸・外転・内転に関わり、特に歩行・走行・立位での荷重調整に重要な機能を持つ。
分類
- 楕円関節(球節様関節)
関節を構成する骨
- 中足骨(第1〜第5中足骨)
- 基節骨(第1〜第5趾)
主な靭帯
- 側副靭帯(内側・外側)
- 底側靭帯(底側板) – 足底側の強固な線維組織
- 深横中足靭帯 – 足趾を横に連結し横アーチを支える
運動
第1趾は特に可動性が大きく、以下の動きが可能。
- 屈曲・伸展(主)
- 外転・内転(副)
歩行時の「蹴り出し」で重要な背屈(伸展)が特に大きく求められる。
触診ポイント
- 中足骨頭を足背・足底どちらからも触診可能
- 側副靭帯の圧痛は捻挫・靭帯損傷を示唆
- 底側板の肥厚は外反母趾やプランタープレート損傷の兆候
- 第1MTP関節の可動域(背屈)は歩行の評価で最重要
臨床的重要性
- 第1MTP関節炎(外反母趾、痛風、変形性関節症)
- プランタープレート損傷(第2趾に多い)
- 中足骨頭痛(メタタルサルジア)
- ランナー・ダンサーでのオーバーユース障害
- 歩行時の「蹴り出し」の制限 → 代償により他部位へ負担が波及
東洋医学的関連
MTP関節周囲は足の脾経・肝経・腎経が密集する領域で、
足アーチ、歩行、全身の気血の巡りと密接に関わる。
- 太白(SP3) – 第1中足骨頭の近く、運化強化の要穴
- 太衝(LR3) – 第1・第2中足骨間、足背気滞の改善
- 大敦(LR1) – 母趾末端、気血の通りを促す
- 湧泉(KI1) – 足底の中心、歩行の基礎力アップ
- 第1MTP関節痛(外反母趾・痛風発作後の調整)
- 足底腱膜炎・横アーチ低下の補助
- 足背部痛・中足骨頭痛の緩和
- 歩行時の蹴り出し改善を目的とした経穴治療
- ランナー・スポーツ選手の足部メンテナンス
国家試験で重要なポイント
- 分類:楕円関節
- 構成:中足骨頭 × 基節骨底
- 側副靭帯・底側板が関節の安定に重要
- 第1MTP関節は可動域が大きく、歩行に必須

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