頸板状筋の起始・停止・作用まとめ

1.筋肉の名称(和名・英名・ラテン語)

  • 和名:頸板状筋(けいばんじょうきん)
  • 英名:Splenius cervicis
  • ラテン語:Musculus splenius cervicis

2.起始・停止

  • 起始:
    • 第3〜第6胸椎の棘突起(T3〜T6)
  • 停止:
    • 第1〜第3頸椎の横突起(C1〜C3)

3.支配神経

  • 頸神経後枝(C4〜C6)

4.作用

  • 両側収縮:頸部の伸展(後屈)
  • 片側収縮:頸部の同側回旋および側屈
  • 頭板状筋と協働して後頸部の姿勢保持を補助

5.関連する経穴

頸板状筋は膀胱経・小腸経の経絡領域に位置し、 「天柱」「大杼」「肩外兪」など頸肩部の重要経穴と密接に関わる。

6.臨床での関連(首こり・肩こり・頭痛など)

  • 慢性的な首こり・肩こり:頸板状筋が過緊張し、僧帽筋や頭板状筋の深部に硬結を形成
  • 頸部の可動制限:特に「回旋」動作が制限されやすい
  • 頸性頭痛・後頭部痛:筋の上方付着部(C1〜C3付近)のトリガーポイントから放散
  • 自律神経症状:長時間のデスクワークなどによる筋緊張で交感神経を刺激
  • 東洋医学的には「風邪(ふうじゃ)」が停滞しやすい部位として治療対象となる

7.臨床メモ

  • 頭板状筋と頸板状筋は「板状筋群」と総称される。
  • 僧帽筋の深層にあり、しばしば同時に過緊張する。
  • 「風池」「天柱」の刺鍼やマッサージにより、両筋を同時に緩めることができる。
  • 後頸部の血流改善や頭痛・眼精疲労の軽減に有効。

0 件のコメント:

コメントを投稿