鎖骨下筋は、第1肋骨の上面と鎖骨下面の間に位置する小筋で、 鎖骨の安定化と、胸郭上口部の保護・補助吸気運動に関与する。 鎖骨下動静脈や腕神経叢の直上に位置するため、 臨床的にも胸郭出口部の重要な構造として注目される。
鎖骨下筋は第1肋骨から斜め上外方に走り、鎖骨の下面に停止する。 鎖骨の動きを制御し、胸鎖関節や肩鎖関節へのストレスを軽減する役割をもつ。
鎖骨下筋神経は腕神経叢の上幹(上神経幹)から分岐し、本筋に単独で支配する。 この神経は時に「横隔神経への枝」を出し、鎖骨下膜周囲の感覚にも関与する。
鎖骨下筋は、強い肩の挙上動作時に鎖骨を安定化させ、 胸郭出口を保護する。深呼吸や努力吸気時にも補助的に活動する。
鎖骨下筋の位置は胃経・腎経・大腸経が交わる領域に相当し、 「気戸」「缺盆」「兪府」は胸郭上部の気滞・肩前部痛に有効。 この部の緊張は、呼吸浅化・胸郭出口症候群・肩前面の張り感を引き起こすことがある。
鎖骨下筋の過緊張は、鎖骨下動脈・静脈、腕神経叢を圧迫し、 上肢のしびれや冷感、肩前面の締め付け感を生じやすい。 鍼灸や呼吸リハビリでは、鎖骨下部を緩めることで胸郭の拡張が改善する。 姿勢改善では「鎖骨を開く意識」で筋のリリースを促すことが重要。
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