第三腓骨筋の起始・停止・作用まとめ

Peroneus tertius muscle - animation

1.筋肉の名称(和名・英名・ラテン語)

  • 和名:第三腓骨筋(だいさんひこつきん)
  • 英名:Peroneus tertius muscle(または Fibularis tertius muscle)
  • ラテン語:Musculus peroneus tertius(または Musculus fibularis tertius)

2.起始・停止

  • 起始:
    • 腓骨前面の下部1/3
    • 前脛骨筋膜
    • 下腿骨間膜の下部
  • 停止:
    • 第5中足骨底の背側
第三腓骨筋は前脛骨筋群の最外側に位置し、 腱は足関節前面を通って第5中足骨に付着する。 足の背屈と外反を補助し、歩行時のつま先の安定に関与する。

3.支配神経

  • 深腓骨神経(L4〜S1)

4.作用

  • 足関節の背屈(つま先を上げる)
  • 足の外反(足底を外側へ向ける)
前脛骨筋が足の内反を行うのに対し、 第三腓骨筋は外反を補助して足首のバランスをとる役割を持つ。

5.関連する経穴

第三腓骨筋の走行は足の陽明胃経とほぼ一致する。 特に「豊隆(ST40)」はこの筋の筋腹に位置し、 筋の緊張緩和や足背部の動き改善に有効である。

6.臨床での関連

  • 前脛骨筋とのアンバランスによる足首のねじれ(内反・外反の不均衡)
  • 足関節背屈制限(歩行時のつまずき)
  • 足背部や第5中足骨基部の違和感・痛み
  • 浅・深腓骨神経の圧迫による足背のしびれ
  • 足関節捻挫後の外反補助筋としての代償性過緊張
第三腓骨筋は小さい筋ながら足関節の安定性に寄与する。 捻挫後や扁平足の人では、代償的に過緊張して足背痛を生じることがある。

7.臨床メモ

  • 人によっては欠如する(約5〜10%)。
  • 前脛骨筋群の最外側にあり、同時に働いて足のバランスを取る。
  • 鍼灸では「豊隆(ST40)」を中心に調整し、 前脛骨筋や腓骨筋との協調を回復させる。
  • 過緊張により足背のだるさ・外側アーチの不快感が出ることがある。

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