概要
内耳神経は脳神経第Ⅷ番にあたる特殊感覚神経であり、 聴覚と平衡感覚を司る。 機能的に前庭神経と蝸牛神経の二つから構成される。
神経の性質
- 分類:特殊感覚神経
- 主な機能:聴覚・平衡感覚
- 中枢:橋〜延髄(前庭神経核群・蝸牛神経核)
構成
① 前庭神経- 支配感覚:平衡感覚、頭部位置、加速度
- 受容器:三半規管、卵形嚢、球形嚢
- 支配感覚:聴覚
- 受容器:蝸牛(コルチ器)
走行
内耳神経は前庭神経と蝸牛神経が合流した形で、 内耳道を顔面神経とともに通過する。
内耳道を出た後、橋延髄境界部で脳幹に入り、 前庭神経は前庭神経核群へ、蝸牛神経は蝸牛神経核へ終止する。
機能
- 音刺激の受容と伝達(聴覚)
- 頭部運動・体位変化の感知(平衡感覚)
- 姿勢制御・眼球運動反射(前庭眼反射)
臨床的ポイント
- 感音性難聴:蝸牛神経または内耳障害
- 回転性めまい:前庭神経障害
- メニエール病:内リンパ水腫
- 前庭神経炎:急性回転性めまい、難聴を伴わない
- 小脳橋角部腫瘍(聴神経腫瘍)との関連
関連する血管
- 前下小脳動脈
- 内耳動脈
東洋医学的観点
聴覚と平衡感覚は東洋医学では主に腎と深く関係するとされる。 「腎は耳に開竅する」とされ、腎精の充実が聴覚機能を支えると考えられている。
- 難聴・耳鳴:腎虚(腎精不足)
- めまい・ふらつき:肝陽上亢、痰湿内生
- 急性めまい:風邪(内風)
関連経絡・経穴
臨床では翳風(TE17)、聴宮(SI19)、 太谿(KI3)、風池(GB20)などが 耳症状やめまいに頻用される。
まとめ
内耳神経は聴覚と平衡感覚という生命活動に不可欠な感覚を担う特殊感覚神経である。 前庭系・蝸牛系という二重構造を理解することで、 めまいと難聴の鑑別が明確になる。 東洋医学的には腎を中心に、肝・痰湿との関連を含めて評価することが重要な神経である。

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