距骨(Talus)の特徴と筋付着部

Talus bone - animation01

概要

距骨は足根骨の一つで、脛骨・腓骨と距腿関節を構成し、足部における荷重伝達の中心的役割を担う骨です。筋の付着を一切持たない点が特徴で、周囲の靭帯により強固に支持されます。



ランドマーク

  • 距骨滑車(Trochlea tali):脛骨遠位端と接する上面の滑車状構造。
  • 頭(Head):舟状骨と関節を形成する前部の丸みを帯びた部分。
  • 頸(Neck):頭と体をつなぐ細い部分。
  • 後突起(Posterior process):外側結節と内側結節を含み、屈筋支帯の通過部となる。
  • 距骨溝(Sulcus tali):踵骨との間に距踵洞を形成する溝状構造。


付着する筋

距骨には筋の付着はありません



付着する靭帯

  • 三角靭帯(内側側副靭帯)の各部(脛舟部・脛踵部)
  • 外側靭帯(前距腓靭帯・後距腓靭帯)
  • 踵腓靭帯
  • 距舟靭帯(春靭帯)
  • 距踵間靭帯 など


構成する関節

  • 距腿関節(Talocrural joint):脛骨・腓骨と接し足関節の主要な関節を形成。
  • 距骨下関節(Subtalar joint):踵骨と接し内反・外反の動きを生む。
  • 距舟関節(Talonavicular joint):舟状骨と接し足部の可動性に寄与。


触診ポイント

  • 内果(内くるぶし)と外果(外くるぶし)の間で、足関節を底背屈させると距骨の動きを確認できる。
  • 足を底屈した状態で前方に押し出すと、距骨頭が舟状骨側に突出して触れやすい。
  • 過度の内反捻挫歴がある場合、距骨の前方偏位や動的可動制限が触診で把握しやすい。


東洋医学的関連

  • 足少陰腎経:内果周囲を走行し、距骨周辺の機能異常は腎経の流れに影響すると考えられる。
  • 足太谿(腎経の原穴)との関連:距骨内側後部に近接し、足関節の安定性と腎系のエネルギー循環に影響。
  • 足太陽膀胱経:後足部を経行するため、距骨下関節の不調は膀胱経ラインの緊張と関連することがある。
  • 東洋医学的には「腎の弱り」「下焦の冷え」「水分代謝障害」と結びつけて考えられることが多い。

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