脾動脈(Splenic artery)まとめ

概要

脾動脈は腹腔動脈の枝であり、脾臓へ向かう主要な動脈である。
また、走行中に膵臓(大弯側)へも枝を出す重要な血管である。


走行の特徴

脾動脈は特徴的な蛇行した走行を示し、 膵臓の上縁に沿って左側へ進み、脾門へ至る。

この蛇行は

  • 血流調整
  • 臓器運動への適応

などに関与すると考えられている。


主な分枝

①膵枝

  • 膵体・膵尾へ分布
  • 膵臓の主要血流の一部を担う

②短胃動脈

  • 底部へ分布
  • 複数本が脾門近くから分岐

③左胃大網動脈(左胃網動脈)

  • 大弯に沿って走行
  • 右胃大網動脈と吻合

④脾枝

  • 脾臓内へ分布
  • 終末動脈に近い構造

解剖学的特徴

  • 腹腔動脈の中で最も太く長い枝
  • 蛇行する特徴的な走行
  • 脾臓だけでなく膵臓にも分布

臨床的意義

脾梗塞

脾動脈は終末動脈に近いため、

  • 血栓
  • 塞栓

により脾梗塞を起こすことがある。

膵臓との関係

膵枝は膵体尾部の血流を担うため、

  • 膵炎
  • 膵機能障害

と関連する。

胃大弯側の血流

左胃大網動脈は大弯の血流を担い、

  • 胃炎
  • 胃潰瘍(大弯側)

に関与する可能性がある。

外傷

脾臓は外傷で損傷しやすく、

  • 腹腔内出血
  • ショック

の原因となる。


東洋医学的関連

西洋医学の「脾臓」と東洋医学の「脾」

西洋医学の脾臓と、東洋医学の「脾」は必ずしも一致しない。

  • 西洋医学:免疫・血液貯蔵
  • 東洋医学:消化吸収・運化作用

ただし機能的には、 消化・血液・栄養という点で共通する側面がある。

脾の運化作用

東洋医学の脾は

  • 飲食物の消化吸収
  • 気血生成

を担う。

脾動脈が膵臓にも分布する点は、 この概念と興味深く一致する。

脾虚と症状

  • 食欲不振
  • 疲労感
  • 下痢
  • むくみ

などは脾虚として説明される。

肝脾不和

ストレス(肝)と消化(脾)の関係は密接であり、

  • 腹部膨満
  • 食欲低下
  • 過敏性腸症候群

などとして現れる。


鍼灸臨床との関連

消化機能の改善

これらの経穴により

が図られる。

血虚・疲労

脾は気血生成と関係するため、

  • 倦怠感
  • 貧血傾向

などにも対応する。

ストレス性消化障害

を用いて肝脾のバランスを整える。


まとめ

  • 脾動脈は腹腔動脈の枝で最も太く長い
  • 脾臓膵臓大弯へ血流供給
  • 蛇行する特徴的な走行を持つ
  • 膵機能・消化機能と関連
  • 東洋医学では脾の運化作用と関連づけて理解できる

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