肺動脈(Pulmonary artery)まとめ

概要

肺動脈は、右心室から肺へ血液を送る動脈であり、全身で唯一静脈血(低酸素血)を運ぶ動脈である。
肺においてガス交換を行うための肺循環(小循環)の中核を担う。

  • 起始:右心室
  • 分岐:右肺動脈・左肺動脈
  • 分布:肺(肺胞周囲毛細血管)

走行と分岐

肺動脈幹は右心室から出て、

  • 上行して肺動脈幹を形成
  • 左右に分岐(右肺動脈・左肺動脈)
  • 肺門から肺内へ進入

し、さらに細分化して毛細血管へ至る。


肺内での流れ

肺動脈血は

  • 肺動脈 → 細動脈 → 毛細血管
  • 肺胞でガス交換(CO₂排出・O₂取り込み)
  • 肺静脈 → 左心房

という流れで循環する。


肺循環の特徴

  • 低圧・低抵抗の循環系
  • ガス交換を目的とする特殊循環
  • 全身循環とは独立した回路

解剖学的特徴

  • 静脈血を運ぶ例外的な動脈
  • 気管支と並走する
  • 左右で長さ・走行が異なる(右が長い)

臨床的意義

肺塞栓症(PE)

血栓が肺動脈を閉塞すると、

  • 呼吸困難
  • 胸痛
  • 低酸素血症

を引き起こす。

肺高血圧症

肺動脈圧の上昇により、

  • 右心負荷増大
  • 右心不全

が生じる。

右心系との関係

肺動脈は右心室と直結しており、

  • 右心機能
  • 静脈還流

と密接に関係する。

呼吸との連動

呼吸に伴う胸腔内圧変化は、

  • 肺血流
  • ガス交換効率

に影響を与える。


東洋医学的関連

「肺」と気の生成

東洋医学における肺は

  • 呼吸
  • 気の生成(宗気)

を担う。

肺動脈による血流供給は、 この気の生成の物質的基盤と考えられる。

宗気と循環

宗気は胸中に集まり、

  • 呼吸
  • 血の巡り

を助ける。

肺循環はこの概念と対応する。

肺と水分代謝

肺は水分の調整(宣発・粛降)にも関与し、

  • 浮腫

と関連する。


鍼灸臨床との関連

呼吸機能改善

肺の働きと胸郭運動を調整する。

胸部循環の調整

血流と自律神経のバランスを整える。

息切れ・呼吸困難

肺気を補い呼吸を整える。

全身調整

肺は気の巡りを統括するため、

  • 倦怠感
  • 自律神経症状

にも対応する。


まとめ

  • 肺動脈は右心室から肺へ血液を送る
  • 静脈血を運ぶ特殊な動脈
  • ガス交換を担う肺循環の中心
  • 肺塞栓・肺高血圧などと関連
  • 東洋医学では肺・宗気・気の巡りと関係する

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